安田純平「国に任せてしまおうというのは、民主主義の放棄だ」 | ☆Dancing the Dream ☆

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TVや新聞などの大手マスコミが、
真実を伝えないということは、すでに明らかです。

日本で何が起こっているのかを知るには、
世界で何が起こっているのかを知らなければ見えてこないのでしょう。

それを私たちに知らせてくれるのが、
危険な戦場から第一情報を伝えてくれるジャーナリストたちです。

現在、安田純平さんが、シリアで消息を絶って、
5か月になろうとしています。

安田氏が、ツイッターへの投稿が途絶えた6/20は、ちょうど、
安倍内閣が、4月に米議会演説で「夏までに成立させる」と国際公約し、
5月、閣議決定し、安保法案の国会審議が始まって間もない頃のことでした。



山本太郎氏が指摘するように、
小泉政権下で行われた「イラクへの自衛隊派遣」は、
米軍の間違った戦争に加担したのではないか?

これについて、何らの検証も反省もないまま、
安倍政権は、憲法9条の解釈を変更し、
集団的自衛権を行使し、自衛隊を米軍とともに世界に派遣する――
戦争法案とも呼ばれた法案の成立を目指していました。

アフガン、イラク、シリアなどを取材し続けてきた
後藤さんや、安田さんらシジャーナリストの動きは、
戦争法案を成立させようとする政府にとって、
非常に邪魔な存在であったことでしょう。

経験豊富なプロ中のプロのジャーナリストが、
テロリストに拘束されることになった原因は何なのか?
万が一の危険と隣り合わせであるからこそ、
危険を回避することを第一に行動する用心深いセンサーが
狂うことはあるのだろうか?

例えば、後藤さんのケースでは、
同じ戦場ジャーナリストらの多くは、
ほぼ同じような意見を述べています。

「普通では、考えられない不自然な行動。
 安全を確信する特別な理由があったはず。
 おびき寄せられ、はめられたのではないか。」
と。

誰によって、でしょう?
おのずと、答えは、
「戦争法案」を成立させたい者たちによって、
安全を保障すると騙され、
おびき寄せられ、はめられた。

・・となるのではないでしょうか?

ならば、安田純平のケースでも、
同じことが繰り返されている可能性が高いのではないでしょうか?


************

2015年2月17日、
シンポジウム<なぜジャーナリストは戦場へ向かうのか>と題し、
報道の意義考える緊急シンポジウムが都内で開催された。
パネリストの中に安田純平氏もいた。

川上泰徳(元朝日新聞中東アフリカ総局長)
佐藤和孝(ジャーナリスト/ジャパンプレス代表)
関野吉晴(探検家/武蔵野美術大学教授)
藤原亮司(ジャーナリスト)
安田純平(ジャーナリスト)
(司会)野中章弘(アジアプレス代表/早稲田大学教授)

ジャーナリストはなぜ戦場へ向かうのか。
危険な取材をなぜ行うのか。
安倍首相は、外務省の警告にもかかわらず、
シリア取材を行った後藤健二さんについて、
「どんなに使命感が高かったにしても、蛮勇と言わざるをえない」と
述べるなど批判した。

ジャーナリストは批判に委縮し戦場取材を自主規制するのか?
ほんとうにそれでいいのか?
後藤さんの行動は「蛮勇」だったのか?
安田純平氏は、次のように述べた。

安田:後藤さんが『イスラム国』に入った方法はイレギュラーなやり方であり、
   我々としてはちょっと考えられないやり方だ。
   2億ドル積まれたってやらない。余程の背景があったんだと思う。
   どういう背景があって入ったのか検証すべきだ。

安田:『イスラム国』は、支配地域に入った外国人をかたっぱしから捕まえる。
   そして、捉えた人の出身国によって、交渉内容を変える。
   ダーイシュの支配地域に安全に入るには、
   「まるでビザを発行してもらうように」ダーイシュ側から
   入国許可を受けなければならない。
   現在日本人で安全に入るには、中田考氏のようなイスラム国から
   身元保証を受けている人と一緒に入るしか、方法がないのだ。

安田:今回は既に、『イスラム国』に入った経験がある人が日本におり、
   現地の人でも中に入るのは難しいと言っていた。
   それでも後藤さんは入った。
   後藤さんが使ったとされる現地ガイドについても、
   情報を持っているジャーナリストが日本にいた。
   ジャーナリストの横のつながりについても、検証すべきである。

安田:取材先のリスクについては、政府が判断するべきではない。
   危険だということを一括りに扱うべきではなく、
   政府はもっと具体的に情報を出して、国民に判断させるべきである。

安田:先日、イラクの北部で日本人旅行者が、
  (ダーイシュと闘っている)クルド自治政府に拘束されたと報じられた。
   これに対して官房長官が『一歩間違えば大変な自体になった』などと
  話したというが、どこでどう捕まって、なぜ危険なのかは
  説明がされておらず、ただなんとなく危ないからという理由で
  渡航を制限している。

安田:また、杉本さんが行きたいといっていたのは、
   コバニというところだ。
   朝日新聞も行った場所だが、『危ない』と批判された。
   コバニは『イスラム国』勢力を追い返したクルド勢力による
   プレスツアーで行けるところだ。クルド勢力は最大の護衛を付けて、
   ここを勝ち取ったんだとアピールしたい場所でもある。
   そんな場所で、どうやって『イスラム国』の人質になるのか。

安田:リスクは確かにゼロではないが、
   危険に関しては、政府は具体的な内容を出すべきだ。
   その内容を知れば、国民の側も危ないのか危なくないかを判断できる。
   国は国民に判断させないようにしている。
   『全部国が決めるのだから、黙って聞きなさい』ということになっており、
   それでいいんじゃないのという反応も増えている。それが危険だと思う。

安田:すべての国民は、自分の頭で判断し、
   政府がやろうとしていることが妥当かそうではないかを
   判断しなくてはいけない。
   危険だから、全て情報を取るのは国に任せてしまおうというのは、
   民主主義の放棄だ。

******

後藤さんのシリア入りについて、
安田氏とほぼ同じ意見を述べていた
戦場ジャーナリストの志葉玲氏の言葉です。

志葉氏「今回後藤さんがシリア渡航のスケジュールは、
    非常に短いものでした。
    これは戦場ジャーナリストの常識からするとかなり不自然。
    いつ何が起こるか分からないのが戦場。
    今回後藤さんは湯川さんを助けたい思いを利用され、
    おびき寄せられたのではないでしょうか。」(IWJインタより)

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安田純平氏が消息を絶った経緯




6月20日
安田氏のツイッターへの投稿が途絶えた。
安田氏は最後の投稿で
「これまでの取材では場所は伏せつつ、
 現場からブログやツイッターで現状を書いていたが、
 取材への妨害が本当に洒落にならないレベルになってきているので、
 今後は難しいかなと思っている」と述べていた。

6月23日
安田氏は、友人のフリージャーナリスト・常岡浩介氏に、
トルコからの電話で、シリアに入国する計画だと語った。
同日、常岡氏は、シリアから安田氏のメッセージを受信した。
以来、音信が途絶え、安田氏はイスラム過激派によって、
身柄を拘束された可能性が高いとの見方を述べた。

7月10日
岸田外相は記者会見で質問に答え、
「安田氏の安否についての情報には接していない」と述べた。

7月12日
常岡氏が、下のようなツィートを発信した。
常岡氏は、何らかの情報を得て安田氏を救出に行ったが、
トルコで入国拒否されお強制送還された。
日本政府、トルコ政府の協力は得られていないということ。

☪常岡浩介容疑者☪ @shamilsh
安田純平をオムカエに行ったものの、イスタンブールで入国拒否されて、
強制送還されて、今、仁川…21:42 - 2015年7月12日


7月15日
衆院で安保法案が強行採決された。

7月22日
米ニューヨーク・タイムズ紙が、
日本人ジャーナリスト「ジュンペイ・ヤスダ」と、
スペイン人のジャーナリスト3人がシリアのアレッポ周辺で行方不明になり、
過激派組織に誘拐されたのではないかとの懸念が高まっていると報じた。
外国人戦闘員が多い「移民と支援者旅団リワ・ムジャヒディーン・ワルアンサル」という組織によって拘束された。という情報や、
シリア人活動家によると、「ヤスダ」はイドリブ県のヌスラ戦線に拘束され、
後にキリスト教徒の村ヤコウビイェで目撃された。など、情報が錯そうしている。