わたくしのタロットとの出会いは10歳の時。
本屋さんで何気なく買った解説書とセットの物だった。
どのデッキかは覚えていないがカードを見た瞬間頭に稲妻が落ちたような衝撃を感じ
その日から毎日何時間もカードを見続けていた。
当時はオカルトブームの時代でテレビではUFO・心霊写真・超能力そして占いの番組
がいっぱいだった。
それを見ていたわたくしは「占いは特別な才能があるひとしかできない」と思い込み
プロになるまで一度もタロットを占いに使ったことはなかった。
占星術はなぜか怖くなく本と首っ引きで何時間もかけてチャートを手書きしていた。
しかしタロットに関しては衝撃が強すぎて、その世界観から逃れられない魅力と同時
に「畏怖」とてもいうような厳かな感覚を持っていて、解説書を読むことなくカード
の意味も知らず、ひたすらカードを眺めていた。
おこずかいを貯め、少しづつタロットカードを集めてひとくちに「タロット」といえ
ないほどデッキによってその世界観が違うことに気付き、ますますタロットの虜に
なっていった。
そしていつのまにかタロットたちは孤独な子どもだったわたくしの大切な親友となって
いった。
誰にも言えないこと、辛くてどうしようもないこと、明日を迎えるのが恐ろしいこと
そんなことをカードに語り掛けていた。
でもタロットの世界の存在たちはこちらには関心が無く、まるで映画を観ているかの
ように生き生きと動き回っていた。
それでもタロットという友達がいることで「明日一日いきてみよう」と思うことができ
なんとか今もすごしている。
そう、プロになった今もわたくしにとってタロットは仕事道具ではない。
今も、いつまでも親友なのだ。
プロになり20年を経た今、もっともっとタロットの世界に近づきたいと切に思っている。
あと何年生きるかわからないが、最後までタロットとともに過ごしたい。
それができれば本望です。