【タイトル】 思考のボトルネックを解除しよう
【著者】 石川和幸
【ページ数】 271

 

 


【読むきっかけ】 ビジネスNLPのページにあったおススメ本で興味が出たこと。タイトルから興味を持った。
【何を得ようと思ったか】 「思考」のボトルネックとは何かを知り、自分自身の生産性を上げるヒントを得たい。

【概要】
思考パターンがリミッター(=ボトルネック)となり、限界を作っている。それを超えて、信じられない効果を出すことも可能。

ボトルネックがシステム全体のアウトプットを決める。同一システム内では、ボトルネック以外で頑張っても無駄。

【対象】 ビジネス向け。


【評価:★5段階で】
 難易度:★★
 分かりやすさ:★★★★
 ユニークさ:★★
 お勧め度:★★

【要約・メモ】
 

以下のカテゴリにおけるボトルネックを上げ、その解決法を説く。
・知識
 ・情報(マテリアル)
 ・手法(メソッド)
 ・技能(スキル)
・選択
・生活力

付加価値時間の最大化と非付加価値時間の最小化
ECRS
E Eliminate(なくす)
C Combine(一緒にする)
R Re-order(順番を変える)
S Simplify(単純化)

Ephemeralization
 行為の短命化、ただ一度だけ

読書:対象領域を層別で優先度分け
1. 仕事に関する領域
 フォトリーディングはしない
2. 一般的知識の領域
 フォトリーディングで
3. 趣味の領域
 休みにじっくり
4. 時間があったら読む領域

フレームワークで考える
 よくある枠組みを利用して整理
 適用するスコープ(範囲)を確定することが重要
 効果:ヌケ・モレなく全体論的に。レベルをそろえて。

限られた時間内にとりあえずの答えを出すには、仮説を立ててアプローチする。

フェルミ推定:情報不足のとき、仮説を組み合わせて推定計算する。

MECE Mutually Exclusive and Collectively
 同じレベルで細分化し比較する。
 全部を網羅したのか、ダブっていないか
 議論の対象となる「全体」=スコープを設定することが重要

練習=リスクのない失敗を繰り返す
 シミュレーション、ケーススタディ
 ゲーム、ディベート、ロールプレイイング、見よう見真似

選択のボトルネック
 認識:自分はどこにいるのか
 選択:自分はどこに行くのか
 前提:自分が思い込んでいる前提は何か
前提が目に見えないボトルネックで、常識や思い込みで、認識も選択も限られる。

前提を見つける方法
1. 前提を疑う
 なぜそうなのか?
 なぜそうなってはいけないのか?
2. コンフリクト(対立・葛藤)を見つける
 ex. 実力で勝負したいvs安定したい
 コンフリクトを生んでいる前提を見つけ、それがtだしいのか検証し、正しくなければ書き換えてしまう。

【感想】


個人の生産性を、ボトルネックという観点で分析しているところはユニークで、面白い試みであるが、内容自体は目新しいものはないし、ボトルネックという観点を持ってきたところで、特に何か劇的に変化するものはない。問題・課題を見つけ、それにプライオリティをつけて、解消することは誰でもやっていることで、それをボトルネックと言い換えただけに過ぎない。
ビジネス書をあまり読んだことがない、生産性について考えたことがない人にとっては、改善するヒントがあるので、読んだ方がいいかもしれない。

すでに多く知っている人にとっては、用語は別として内容的に得るものはない。
とはいえ、知っていても実践できないケースが多いので、どういう手順で具体的に改善していくか、という形で書かれていれば、後者の人にとっても役立つ内容になる。
あるいは、症例・問題を事例的にあげて、その解決策を本書の内容を提案するという形だったら、より役立つかもしれない。

選択のボトルネックのところの「前提」および書き換えのところは、NLPで言うところのビリーフチェンジに当たる。