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エスプレッソマシンレビュー第7回[デロンギ EAM1000BJ]


エスプレッソ研究
デロンギの家庭用全自動エスプレッソマシン、Mod.EAM1000BJを試す。


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側面観。透明部分がウォータータンク。


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背面観。重量は約10kg。


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上から。右のパネルはカップウォーマー。結構な高温になるのでカップはしっかりと温まる。

真ん中のスリットが入ったリッドを開けると挽き粉の投入口がある。

左のリッドを開けると豆の投入口とグラインダーがある。


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挽き粉を使用する場合はここから投入する。

挽き粉を使用する場合はシングルショットしかできないので注意が必要。

また投入できる粉の量は14gまでで、それ以上投入するとエスプレッソが抽出されず、故障の原因になる。

ダブルショットをしたい場合はコーヒー豆を用いる必要がある。


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左のリッドを開けた状態。最大200gの豆が入る。

グラインダーの左にあるダイヤルでメッシュを調整する。1(細)~7(粗)までの7段階調整。

ダイヤルは操作感が非常に固くて回しづらい。


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グラインダーの刃はコニカル式。豆が跳ねるのを防止するパーツはプラスネジ2本を外せば撤去でき、刃にアクセスできる。


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コントロールパネル。上段左からメインスイッチ、一杯抽出OKランプ、二杯抽出OKランプ、スチームOKランプ。

中段のダイヤルは左から抽出量調整つまみ(約20cc~約180cc)、コーヒー粉量調整つまみ(一杯抽出時7g~11g、二杯抽出時11g~14g)、スチームバルブ。

下段は左から給水タンク注意ランプ(給水タンクが設置されていないか、水量不足で点灯)、カス受け注意ランプ(カス受けがセットされていないか、満杯で点灯。ホッパーに豆がなくなると点滅)、警告ランプ(フロントドアが開いている時に点滅)、内部洗浄ボタン(内部洗浄する時に押す。点滅した時はこのボタンを押して除石灰を行う)、パウダー抽出ランプ(挽き粉で抽出するときに押す)


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スチームワンド。ミルクフロスター装着時。

スチームバルブは操作感が固く、力を入れないと回せないのでこれはマイナス点。


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ミルクフロスターを外してスチームノズルだけにした状態。慣れた人ならミルクフロスターは外して使っても問題無い。

このスチームノズルも外して洗浄することができる。


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蒸気孔は1穴。

5℃→65℃試験は1分23秒かかった(ミルクフロスターを装着してテスト)。

スチーミング前に150ccだった水は、スチーミング後に180ccになっていた。


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スチーミングされたフォームドミルク。スチームの勢いは強くないが、テクニックがあればフリーポアラテアートに使うようなミルクを作ることは十分に可能。


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抽出口はカップの高さに応じて上下させることが出来る。

目一杯下げた状態。


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目一杯上げた状態。


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フロントドアを開けた状態。フロントドアはただ引っ張るだけで開くようになっている。

真ん中のグレーのパーツが抽出ユニット。左のコンテナがカス受け。

抽出ユニットは左右の赤いボタンを押して手前に引っ張れば簡単に外れるので、洗浄時に助かる。


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トレーは容量実測800ccと十分な大きさで満杯状態を知らせる赤いフロートを装備。

形はやや複雑で水洗した後のふき取りはしにくい。

カップ受けは抽出液が滴る部分に大きな穴が開いているので、抽出液で濡れるようなことはほぼ無い。


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薄型の水タンクは前に引き出す。容量1800cc。

タンクにチューブを入れて揚水するタイプではないので、チューブの出し入れによるストレスは無い。


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それでは抽出に移る。今回使用する豆は自家焙煎後2週間冷蔵庫保管していたキリマンジャロ。

メッシュは説明書でエスプレッソ・ソロは2~3を推奨しているので2番目に細い「2」に設定した。


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メインスイッチを入れ、抽出ランプが点滅から点灯に変われば抽出開始OKのサイン。テスト時は点灯に変わるまで2分13秒かかった。

抽出ランプが点灯した状態でスチームOKランプを押すと、抽出ランプが消灯してスチームOKランプが赤く点滅する。この点滅が点灯に変わればスチームOKのサイン。テスト時はスチームOKまで30秒かかった。

抽出量は画像のダイヤルの位置で約30cc。豆量はシングルショットの場合は7g~11gで、その真ん中なので9gということになる。

抽出量調整つまみと豆量調整つまみには明確な数字は書かれていないので、細かい調整は目分量ということになってしまう。


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豆量:7g   抽出量:30cc   に設定したシングルショット。

コクは少なくスッキリしている。

説明書ではエスプレッソ・ソロの場合の豆量は7~8gを推奨している。


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豆量:9g   抽出量:30cc   に設定したシングルショット。

コクとまろやかさがアップした。


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豆量:11g   抽出量:30cc   に設定したシングルショット。

苦味が強調され、濃すぎる印象を受ける。

抽出ボタンを押すとまずグラインダーが作動するが、グラインダー作動時の音量は騒音計による計測で84dB程度。抽出時は65dB程度の音量がある。

また、全自動マシンはメインスイッチや抽出スイッチを押した後に内部メカをスタンバイ位置に動かしたりしているので、その時の音もある。分かり易く言うとプリンターの電源を入れた後に「ウイーン・・ガチャンガチャン」みたいな音がするが、それに近いような音が出る。

また、いずれの設定でも抽出はものの数秒で終わる。20~30ccを20~30秒でという抽出のルールは、このマシンにはあまり関係無いようである。


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メッシュ:4   豆量:10g   抽出量:30cc


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メッシュ:1   豆量:10g   抽出量:30cc


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抽出後のカス受け。シングルショット5杯を抽出した状態。

シングルショットで14杯目、ダブルショットでは7回目で警告ランプが点灯する。


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抽出後の抽出ユニットを上から撮影。コーヒー粉の残渣が付着している。

抽出ユニットはコーヒー粉の詰まりを起こさないように毎日の使用後に外し、水洗する必要がある。

手前のネジ止めされているアームで出がらしを左にあるカス受けに落とす仕組みになっている。


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抽出ユニットの右上に設置されたタンパー相当部、使用後。


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使用後の抽出ユニット周辺。

手前のコーヒー粉が落ちているところはドリップトレーと一体化した受け皿になっているのでトレーを外して水洗すれば問題なし。

ただし抽出ユニットとカス受けを仕切る部分に出がらしを落とす際に出たコーヒー残渣が付着している。

そのためフロントドアを開けて、たまに内部の清掃もしたほうがいいと思われる。


また、除石灰ランプが点滅した際には付属の全自動エスプレッソマシン用除石灰剤を使用して洗浄を行うよう推奨されている。


<総評>

セミオートマチックマシンだと自由自在にタンピング圧や粉の量を調整できるのだが、全自動マシンは粉の量はダイヤル調整、タンピング圧はマシンに任せるしかない・・といったもどかしさがある。

ジャストな設定が見つかれば、後は楽なのだろうが内部構造の掃除などは意外に面倒なところもある。

ただその掃除は実質的に1日1回行えばいいわけで、そう考えると楽なような気もする。

こういった特性がその人のライフスタイルに合えば、便利なマシンだと思う。

味はやはりフルオートマチックでないマシン(セミオートマチック等)が本領を発揮したものには及ばないと考えて良い。


<デロンギ Mod.EAM1000BJ>スペック (管理人調べ)

●メーカー : デロンギ(DeLonghi)

●品番 : Mod.EAM1000BJ

●分類 : フルオートマチック

●280×380×365mm

●コード長 : 1.9m(実測)

●重量 : 約10kg

●消費電力 :1150W

●ポンプ圧:15気圧

●パウダー使用 : 可(但しシングルショットのみ)

●POD使用 : 不可

●水位計 : 有(透明な水タンクと警告ランプ)

●着脱式ウォータータンク : 有 (容量1.8L)

●着脱式ドリップトレー : 有 {容量800cc(実測)}

●カップウォーマー : 有(能動的)

●3方向バルブ : 無

●熱交換器 : 無

●デュアルボイラー : 無

●給湯機能 : 有

●C型スプリングによるフィルターバスケットの固定 : 無


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