10月21日の日曜日、のののさんの読書会in東京に参加してきました。9月は休日出勤で参加できなかったので、2カ月ぶりの読書会です。

 

 場所は四谷4丁目のマンション2階の一室。広い通りに面した気分の良いところでした。前回、前々回の開催場所、神保町も「本の街」ですから、ロケーションとしては最高なのですが、神保町の店は、古書店、飲食店とも、日曜日定休の店舗が大多数。

 なので、違う場所での開催も良かったです。

 

 今回は参加者が多く、13名だったため、ふたつのグループに分けての読書会です。私はBグループ。なので、Aグループの詳細はわかりませんので、その辺は、のののさんのブログでのリポートをお待ちください。

 

 今回、Bグループでおススメされた推し本は以下のとおり。

 

・レイ・ブラッドベリの「十月の旅人」(ハヤカワ文庫版だと思います)

SF界の詩人、レイ・ブラッドベリの初期の短編集。「十月はたそがれの国」は読んだことがありますが、これは、たぶん未読なので、興味をひかれました。調べてみたところ、ずっと絶版で、レア本になっていたものが復刊したようです。訳者は伊藤典夫さん。年配の翻訳家さんですが、宇野利泰さんのような読みにくさはないです。何編か、他の短編集とのダブりがあるようですが、「休日」のあらすじに心ひかれたので読みたいです。ブラッドベリは、相当数読んできたつもりなのですが、まだまだ未読本があるな、と痛感。

 

・村田沙耶香さんの「しろいろの街の、その骨の体温の」(朝日文庫)

純文学系をおもに読んでいらっしゃるという男性の推し本。純文学には、てんで疎いのですが、大好きになった作家さん、原田ひ香さんが元来は純文学の新人賞「すばる文学賞」を受賞してデビューなさったことを知り、少しづつ読んでみようと思い始めた今日このごろ。

村田沙耶香さんのこの本、西加奈子さんが確か、解説を書いておられるとのこと。ますます興味が湧きます。内容は、仲良しの小学生たちが中学に入って、スクールカーストの洗礼を受け、それぞれが別のランクに位置づけされてしまい・・・・・・という物語を基盤にして、ヒロインの少女とその幼なじみの少年の性的なかかわりを描いたものらしいです。私の思い描いていた「形而上的な文学」とは、かなり趣きが違うようです。買おうと思ったのですが帰りに立ち寄った書店にはなく(マイナーな「朝日文庫」ですのでしかたないかも)、図書館で予約しました。

 

・アガサ・クリスティの「ホロー荘の殺人」(ハヤカワ文庫)

クリスティ中期のポワロものの傑作です。「荘」とはついていますが、いわゆる「館もの」ではありません。殺人が起きてから、関係者は家に帰ってしまったりするので。これは既読ですが、あまりに印象的だったため、真犯人も伏線も明確に記憶してしまっています。にもかかわらず、再読しても面白いです。クリスティの作品は、なぜ再読してもおもしろいんでしょうね。最近出てきた作家さんでは、市川憂人さんが、そのタイプになるかな、と期待しているのですが。

ポワロというと「ABC」や「オリエント急行」などの初期の作品のみ注目されがちですが、私は、ポワロものベストスリーは、この「ホロー荘の殺人」と「五匹の子豚」(ご紹介済み)、そして「杉の柩」だと思っています。

 

・阿部了さん、阿部直美さんの「おべんとうの時間」(木楽社)

これは、おもしろかったです。カメラマン阿部了さんが日本各地をめぐり、その土地その土地の人たちのお昼のお弁当を撮影、それに奥様の直美さんが文章を書き下したもの。さまざまな職業につく、さまざまな人々のお弁当オンパレード。みなさん、すごくまじめにお弁当を作っているんだ、と感動。いわゆるキャラ弁は一件も載っていいません。もっと、地に足のついた実際的なお弁当です。紹介されたとき、正午近かったので、おなかがすいてしまいました。調べてみると、4巻くらいまでシリーズが出ている模様。図書館で探してみます。

 

・中野京子さんの「怖い絵」(朝日出版社)

近ごろ、この本をもとにした絵画展が行われたので、ご存知のかたも多いかと思います。今は文庫版が出ていますが、この日、持っていらっしゃったのは単行本です。絵の大きさが違うので迫力が違います。最初のページはドガの名作「踊り子」。この絵に関しては、NHKの「みんなのうた」のトラウマソング「メトロポリタン・ミュージアム」のせいで、文字どおりトラウマになっているのですが、この絵が描かれた背景を話していただきました。現代の有名バレリーナと違って、当時のダンサーは身分が低くて貧しく、パトロン抜きでは生きていけなかったとのことです。その他、一見どこが怖いのかわからない絵も多いのですが、裏話を聞くと、背筋がゾっと。これもシリーズになっていますね。

 

・瀬尾まい子さんの「強運の持ち主」(文春文庫)

これは以前、ご紹介した一冊。

https://ameblo.jp/eseseve10/entry-12325388762.html

とにかく面白い、元気が出る、という点で読書会が始まる前から、紹介者の女性と意気投合しました。OLをやめて占い師になった女の子のお話。その占いが、いかにも実際にありそうで、笑ってしまいます。同じ瀬尾さんの「幸福な食卓」は泣いてしまう場面もあったけれど、この作品は終始ハッピー。

それにしても、瀬尾まい子さん、実力のわりに一般認知されていないことが不思議でなりません。

 

以上が、Bテーブルで紹介された本。いつもはみなさん、数冊おススメなさるのですが、今回はみなさん、一冊ずつでした。

そして、私も今回は一冊のみ。大阪で開かれた読書会のテーマが「私を変えた本」だったと記憶しているので、そんな本から、櫛木理宇さんの「FEED」をおススメ。

https://ameblo.jp/eseseve10/entry-12331654169.html

この本に関しては読まれた方から、「読んで良かったけれど、再度読む気にはなれない」とのコメントをいただきました。確かにそういう本です。家出して都会に出てきたふたりの16歳の少女たちの物語。片方のヒロインを待っている運命が「死」であることは、冒頭で明らかにされています。その殺され方が、あまりに凄惨。すごく後味が悪いです。しかし、本に含まれるメッセージはどんな人にも通じると思うので、出来れば若い方に、そしてもちろん、そうではない方にも、一度は読んでいただきたいです。今回、読書会のために再読しましたが、「死」の運命を待つ少女を、もうひとりの少女が助けられる可能性のあった場面が、ワンシーンですが描かれています。それが、どこか読み過ごさないでいただきたいと思います。

それにしても、櫛木理宇さん、「ホーンテッド・キャンパス」の頃からは想像もつかない、すごい作家さんにオオバケしたなあと思います。

ちなみに「FEED」の意味は「餌付けする」というような感じのようです。

 

以上で、グループ別読書会は終了。あとは、ひとりひとり、簡単に推し本を紹介。そして、おひらきになりました。

 

読書会前、マンションの隣においしそうな京都ラーメン(いわゆる「京風ラーメン」ではないです)のお店があるのを見つけたので、ランチはそこで、と楽しみにしていたのですが、入店しようとするとものすごく混んでいて、10人待ち以上なことが判明。待とうかどうしようか迷いましたが、あきらめて新宿へ。ラーメンスイッチが入ってしまったので、「一風堂」でランチです。言われているほど味が落ちたとは思いませんが、かといって、飛躍的に美味しくなっているわけでもない。お店の前に行列はできていませんでした。

 

次の読書会は11月。日程は未定とのこと。午後の課題本が、伊藤計劃さんの「ハーモニー」なので、できれば午後の部にも出席したいです。