マンションの防災・防犯、空き巣にスクラム、60世帯マンションの取り組みとは

2007年1月 日経新聞引用

2004年11月と05年1月の2度にわたり、4軒ずつの空き巣被害に遭った。これを機に有志が中心となり、居住者全員が会員の「防犯対策を考える会」を結成。防犯を呼びかける集会やイベントを開き、居住者のコミュニケーションを円滑にすることで、不審者が寄り付きにくい雰囲気のマンションをつくり上げている。

「ラヴィドール本厚木サザンマーク」は、2002年に竣工した14階建て、60世帯のマンション。最寄り駅から歩いて6分ほどで、車の通行も人通りも多い道路に面している。ところが、空き巣犯は、車や人通りの多さを逆手に取り、通行人にまぎれて下見をしていたようだ。

被害があったのは、管理人の業務が終わる夕方から、居住者の多くが帰宅する午後8時の“すき間”の時間帯だった。ターゲットにされたのは、外部からの目が届きにくい9階以上の住戸だ。

犯人は、居住者がオートロックのエントランスを開けたすきに、後に付いて通り抜けた。住戸侵入の手口は手荒なもので、玄関ドアをバールでこじ開け、窓を叩き割っていた。玄関ドアには、サムターン回し対策のカバーや、二重ロックが取り付けられていたが、侵入は防げなかった。

すぐに当時の理事会が解決策として、管理人の業務時間延長を実施した。また、バールなどによる「こじ破り」に強い玄関ドアや、非常通報ボタンの導入も検討したが、居住者にアンケートを実施したところ、費用がかさむことや、効果を疑問視する人が多いため見送ることになった。