2005 4③
無事入学式を終え、私は国崎さんのことを「愛」と呼ぶようになっていた。
向こうももちろん「恵里」と呼んでくれる。
母は入学式の次の日に岡山に帰ってしまったが、愛がいるからそんなに不安はなかった。
その入学式の次の日は再び学部のオリエンテーションだった。
私の学部は50人ほどの小さい学部で理系なので男の方が多かった。
「それでは自己紹介をお願いします」
学部長の松田教授がいう。
「なんか緊張するね
」
私が言うと愛は小さくうなずいた。
愛は関西のノリでそういうのが得意なのかと思いきや、人前で話すのは苦手だそうで、かなり小さい声で自己紹介を済ませた。
愛が前から戻ってきた時、私たちの後ろに座ってた男の子が話しかけてきた。
「なぁ」
暗めの短い茶髪の男の子。
いや、もう大学生なんだから男の人?
「岩本さん、岡山なんじゃろ?俺広島の福山なんよ」
福山は岡山のすぐ隣だ。
なんとなく親近感を感じた。
見た目もちょっと好みだし(笑)
「名前なんていうん?」
「平井祐樹」
ひらいゆうき。
頭の中で反芻する。
「国崎さんは奈良なんじゃね」
そう、今の自己紹介まで知らなかったけど奈良らしい。
関西弁だったから何となく大阪って決めつけてたから聞いたことがなかったっていう…
ちょっと情けない。
「そうやねん。ほんま田舎」
愛はいつもの笑顔で軽快に話す。
「鹿いっぱいおるん?」
「そんなん奈良市だけやで」
仲良く話す2人…
いつのまにか私は話に入れなくなっていた
何を隠そう、18年間彼氏がいたことのない私はちょっと免疫がない。
中1までは男友達もいっぱいいたけどそのころから思春期であんまり男の子と仲良くしきらなくなってしまった。
高校は元女子校のとこに行ってたので今は共学とはいえ、男子は少なかった。
兄弟も妹しかいない。
正直男の子が何考えてるのかよく分からないので何話していいか分からなかったりする。
(ちょっと好みなのにな)
横目で仲良さげな2人を見ながら思う。
向こうももちろん「恵里」と呼んでくれる。
母は入学式の次の日に岡山に帰ってしまったが、愛がいるからそんなに不安はなかった。
その入学式の次の日は再び学部のオリエンテーションだった。
私の学部は50人ほどの小さい学部で理系なので男の方が多かった。
「それでは自己紹介をお願いします」
学部長の松田教授がいう。
「なんか緊張するね
」私が言うと愛は小さくうなずいた。
愛は関西のノリでそういうのが得意なのかと思いきや、人前で話すのは苦手だそうで、かなり小さい声で自己紹介を済ませた。
愛が前から戻ってきた時、私たちの後ろに座ってた男の子が話しかけてきた。
「なぁ」
暗めの短い茶髪の男の子。
いや、もう大学生なんだから男の人?
「岩本さん、岡山なんじゃろ?俺広島の福山なんよ」
福山は岡山のすぐ隣だ。
なんとなく親近感を感じた。
見た目もちょっと好みだし(笑)
「名前なんていうん?」
「平井祐樹」
ひらいゆうき。
頭の中で反芻する。
「国崎さんは奈良なんじゃね」
そう、今の自己紹介まで知らなかったけど奈良らしい。
関西弁だったから何となく大阪って決めつけてたから聞いたことがなかったっていう…

ちょっと情けない。
「そうやねん。ほんま田舎」
愛はいつもの笑顔で軽快に話す。
「鹿いっぱいおるん?」
「そんなん奈良市だけやで」
仲良く話す2人…
いつのまにか私は話に入れなくなっていた

何を隠そう、18年間彼氏がいたことのない私はちょっと免疫がない。
中1までは男友達もいっぱいいたけどそのころから思春期であんまり男の子と仲良くしきらなくなってしまった。
高校は元女子校のとこに行ってたので今は共学とはいえ、男子は少なかった。
兄弟も妹しかいない。
正直男の子が何考えてるのかよく分からないので何話していいか分からなかったりする。
(ちょっと好みなのにな)
横目で仲良さげな2人を見ながら思う。
2005 4②
家につくと部屋にはすでに荷物が届いていて母が片づけてくれていた。
電化製品は新しくコジマで買ったのだがその宅配は明日になっている。
今日ある電化製品はホームセンターで買ったこたつと炊飯器くらいだ。
その炊飯器で母がご飯を炊いてくれていた。
テレビも何もない部屋は殺風景で変な感じ。
「学校はどうだった?」
「一人女の子とメアド交換したよ」
「良かったね」
母は少し安心したようだった。
何もすることがなくてさっさとお風呂に入る。
母がお風呂に入ってる間にメールをうつ。
今日はどうも
よかったら入学式一緒に行かない?
「よしと
」
意気込んで送信ボタンを押す。
あの関西弁からみて地元のコじゃないはず。
ってことは私と一緒で1人のはず。
…同じ高校から来てる人がいなければ
30分が経過したけど返事はこない。
ちょっとへこみ始めたぞ


そのとき。
ぴんぽーん
時間は夜8時。
勧誘とかじゃないだろうけど…どうしよう、もうパジャマなんだけど
とりあえずインターホンの受話器をとる。
「はい」
「向かいの者なんですけどもご挨拶に伺いました」
若い女の子の声。
そりゃそうだ、ここは女性専用にして学生専用。女子大生しかいない。
パジャマだけど…出ないわけには…
とりあえず玄関のドアを開けた。
「昨日越してきた国崎です」
そう言って女の子はお菓子でも入ってるのだろう、かわいいピンクのリボンがついた袋を出す。
ん?
待てよ。
くにさき?
下を向いてるそのコをよく見ると。
「国崎愛さん?」
「え?」
顔をあげたそのコは間違いなく国崎さんその人だった。
「岩本さん
」
昼に見た笑顔で私の名前を呼んだ。
なんたる偶然。
同じ学部のコが向かいに住んでるなんて。
電化製品は新しくコジマで買ったのだがその宅配は明日になっている。
今日ある電化製品はホームセンターで買ったこたつと炊飯器くらいだ。
その炊飯器で母がご飯を炊いてくれていた。
テレビも何もない部屋は殺風景で変な感じ。
「学校はどうだった?」
「一人女の子とメアド交換したよ」
「良かったね」
母は少し安心したようだった。
何もすることがなくてさっさとお風呂に入る。
母がお風呂に入ってる間にメールをうつ。
今日はどうも
よかったら入学式一緒に行かない?
「よしと
」意気込んで送信ボタンを押す。
あの関西弁からみて地元のコじゃないはず。
ってことは私と一緒で1人のはず。
…同じ高校から来てる人がいなければ

30分が経過したけど返事はこない。
ちょっとへこみ始めたぞ



そのとき。
ぴんぽーん
時間は夜8時。
勧誘とかじゃないだろうけど…どうしよう、もうパジャマなんだけど

とりあえずインターホンの受話器をとる。
「はい」
「向かいの者なんですけどもご挨拶に伺いました」
若い女の子の声。
そりゃそうだ、ここは女性専用にして学生専用。女子大生しかいない。
パジャマだけど…出ないわけには…

とりあえず玄関のドアを開けた。
「昨日越してきた国崎です」
そう言って女の子はお菓子でも入ってるのだろう、かわいいピンクのリボンがついた袋を出す。
ん?
待てよ。
くにさき?
下を向いてるそのコをよく見ると。
「国崎愛さん?」
「え?」
顔をあげたそのコは間違いなく国崎さんその人だった。
「岩本さん
」昼に見た笑顔で私の名前を呼んだ。
なんたる偶然。
同じ学部のコが向かいに住んでるなんて。
2005 4①
2005年4月1日。
私、岩本恵里は大学生になった。
朝から母と新幹線に乗り込む。
そう、地元岡山を離れて一人暮らしを始めるのだ。
引っ越しの手伝いもあって母が一週間ほど滞在してくれるらしいけどそれが終わったら本当に一人だ。
なんだか実感わかないなぁ。
そして到着。
小倉だ。
乗り物酔いの激しい私は混み合った新幹線で酔ってふらふらだ(笑)
なんとか新居について手荷物を置き、残りの荷物を待つ。
私の住むことになるマンションは築5年目。
新築の時に入った大学一年生が卒業してあいた部屋なのでこの部屋に住むのは私が2人めだ。
女性専用の築浅マンション。
私が住むのは1階だが目の前に大家さんが住んでるのでまぁまぁ安心だ。
私は大学でオリエンテーションがあるため片づけを母に任せ、家を出た。
歩いて15分程で大学についた。
少し迷ってしまったため時間はぎりぎり。
席は相席しか残ってなかったので後ろの方に座ってた女の子の隣に座った。
軽く会釈すると女の子は笑顔を返してくれた。
これは初友達ゲットか
どきどきする。
時間になると教授らしき人が前に立って話を始めた。
履修届の出し方やらなんやら。
よく分からないなぁと頬杖つきながら聞いてると隣の女の子が小声で
「よぅわからへんな」
といたずらっぽく笑った。
関西弁だ
ちょっと新鮮。
話が終わって授業のシラバスが配られ解散になった。
隣の女の子とメアド交換をした。
一人で帰りながら携帯を開く。
国崎 愛
それが彼女の名前だった。
私、岩本恵里は大学生になった。
朝から母と新幹線に乗り込む。
そう、地元岡山を離れて一人暮らしを始めるのだ。
引っ越しの手伝いもあって母が一週間ほど滞在してくれるらしいけどそれが終わったら本当に一人だ。
なんだか実感わかないなぁ。
そして到着。
小倉だ。
乗り物酔いの激しい私は混み合った新幹線で酔ってふらふらだ(笑)
なんとか新居について手荷物を置き、残りの荷物を待つ。
私の住むことになるマンションは築5年目。
新築の時に入った大学一年生が卒業してあいた部屋なのでこの部屋に住むのは私が2人めだ。
女性専用の築浅マンション。
私が住むのは1階だが目の前に大家さんが住んでるのでまぁまぁ安心だ。
私は大学でオリエンテーションがあるため片づけを母に任せ、家を出た。
歩いて15分程で大学についた。
少し迷ってしまったため時間はぎりぎり。
席は相席しか残ってなかったので後ろの方に座ってた女の子の隣に座った。
軽く会釈すると女の子は笑顔を返してくれた。
これは初友達ゲットか
どきどきする。時間になると教授らしき人が前に立って話を始めた。
履修届の出し方やらなんやら。
よく分からないなぁと頬杖つきながら聞いてると隣の女の子が小声で
「よぅわからへんな」
といたずらっぽく笑った。
関西弁だ

ちょっと新鮮。
話が終わって授業のシラバスが配られ解散になった。
隣の女の子とメアド交換をした。
一人で帰りながら携帯を開く。
国崎 愛
それが彼女の名前だった。