普段の生活の中で、なかなか、まっすぐに立つという動作は、しないものです。

信号待ちや、電車を待っているとき、などもどちらかの脚に体重をかけていたり、どちらかの肩にバッグをかけていたり、水筒やペットボトルなど何かを持っていたりと、体重がどちらかにかかっているか、脚や腕のどちらかが曲がった状態です。

ヨガには、「山のポーズ」というポーズがあります。

山のポーズでは、つま先を正面に向けて立ち、両手も前に向けてリラックスして肩から自然に下ろします。

肘から手首までには2本の骨があって、手の平が前を向いているときには平行に並んでいますが、手の平を後ろに向けるとき、親指側の骨が、小指側の骨にねじれるようにかぶさります。

なので、手の平を前に向けた状態にすると、ニュートラルな状態になります。

肩から指先の力を抜いて、すうっと体の横に下ろし、体の重みを足の裏に均等に乗せていくと、力がまっすぐ下に降りていきます。

重心が安定するのと同時に、背中から頭のてっぺんが空のほうに自然に引っ張られるように引き上がり、耳から肩の距離が広がって、首にかかっていた負担も少し和らぎます。

こうして立っていくと、体のどこも緊張させずに、楽に立っている感じがわかります。

足の裏でしっかりと地面に立っている感じが心地良く、どこか気持ちもどっしりと安心させてくれるポーズです。