旅をし、アメリカ・インディアンと呼ばれる人たちの存在に心を奪われ、彼らの言葉を記録し、学び続けた著者が、地球で生きていくことの意味、ひととしてどう生きていくかの智慧をわたしたちに問いかけ、伝えてくれる本です。
「地球を母として見て、その母親をいたわるように生きてきた人たちがなにを知っていたのか、どういう生き方を後の世代に伝えようとしたのか知ることは、おそらくこの地球で生き残るために最低限必要なことになるはずです。」
また、世界には、インスタントなものが溢れ、世界からリアルなものが姿を消している、それは食べ物ばかりでなく、本にも同じことがいえる。何かが簡単にマスターできるようになる本など、心のファストフードが溢れている、と著者は言います。
自分のハート、魂をどう磨いていくか、与えられた命や時間をどのような心構えで過ごしていくか、そして、子どもたちや未来の世代のことを考えて行動していくこと。詩のようなシンプルな文や言葉から、大切なことが胸に刻まれていきます。人生のステージごとに、響いてくる言葉、励まされ、勇気が湧いてくる言葉、自己を省み改めようと気づかせてくれる言葉、きっとそのときによって、読む側の置かれている状況によって、どの部分の言葉に立ち止まるかは変わってくるのだと思います。
自然から与えられていることに気付くこと、必要以上に欲しがらないこと、あらゆる経験を受け入れ、対応し、地面を固めていくこと、心を正直で満たすこと、そして、分け合っていくこと、リスペクトし合うこと。それだけで、すっと背すじが伸びて、何者にも縛られず、自分の役割に気付くクリアさや、風通しのよさを感じることができそうな気がします。
