ミウちゃんの行き先は名古屋。季節はもう春になろうとしていた。チューリップの蕾が揺れていた。

ミウちゃんは、泣かないで、と言ってハートのネックレスを僕にくれた。僕は男の子だからこのペンダントは恥ずかしいよと言った。

「私、孝雄くんが大好きだったから、もし、孝雄君に大人になって一番大好きなひとができたらあげてね。ティンカーベルが必ず導いてくれるわ」と言ってミウちゃんは、転校していった。(続く)