(この物語はフィクションです。)

  涼しい風が吹くころ

いつも、髪をお団子にまとめるお鷹さんも  御歳60歳になった。

長男の嫁の梅に  「クロ」 で買った 赤い ベストを貰い大切に  着ている。

  大殿、つまりお鷹さんの  亭主  信二郎は無類の  酒好きで  ウイスキーにビール、焼酎に日本酒  などなんでも呑んだが  酔っても 酒に呑まれるような ことはなかった。(続く)