かれん 「病院行けた?」

美乃里 「うん…」

美乃里は少し迷ったが守の事をかれんには話しておこうと思った

美乃里 「実はね…」

美乃里は涼介の死から始まった守との今までの事をかれんに話した

2人でかれんの買ってきたデザートを食べながら

かれんは相槌をうちながら静かに聞いていた

そして今日の事を話終えると


美乃里 「って…まぁざっとこんな感じかな…」

かれん 「ふんふん、あの守さんがね…

いや、かなりいいね…それはかなりいい…」

かれんはおじさんみたいにブツブツと頷いていた

美乃里 「だけど…涼介の事もあったし

守さんに甘えるのは違うのかな…ってそもそも友達?って守さんは思ってるかもしれないし…」

かれん 「あのねー男女の友達なんて簡単に成立しないからそんなのは昔からの腐れ縁だけ

てゆうかね、涼介くんの事は色々思うところはあるかもしれないけど

付き合ってた訳じゃないし、あくまで元彼で

好きだった。てのは事実だけど

恋愛感情じゃなくて大事な人って感覚でしょ?

涼介くんが亡くなったからって美乃里が恋愛しないのはおかしいし、それとこれとは話が別

守さんだって美乃里の事好きって思ってなきゃそんな事出来ないし、看病したいとも思わないでしょ

仮に美乃里が可哀想だとしても、可哀想だけでここまでする?

美乃里が気を遣わせてるんだよ

美乃里には甘えが足りないの

いつもいつも、こんなに仲良しの私にすら甘えないんだからもっと頼りなさい、もっと甘えなさい

もぅっ…」

かれんは少し怒りながらも美乃里に思いを伝える


美乃里 「かれん…」

かれん 「私は友達だから美乃里の入って欲しくないラインとかさ、何となく分かるし私だってそれはある

みんな踏み込んで欲しくないところってあるじゃん?

だけど男女の関係ってやっぱり相手の事全部知りたいし、嫌なことも良いことも一緒に分かち合いたいじゃん?

まぁ、少なくとも私はそう

そう思えないのは多分本気じゃないからか

自分が本気になるのが怖いからストップをかけているか…なんじゃない?

美乃里はもっとさらけ出していいんだよ…

私もたまに寂しいもん

美乃里が遠くに感じて」

かれんは少し寂しそうに美乃里を見つめる


美乃里 「ごめんね、私そんな思いさせてるなんて知らなくて…

本当は誰かを自分のせいで失うのが怖い…

だから友達も恋人も程よい距離がいい…

私が誰かの人生を壊すような事はしたくない」


かれん 「失いたくないか…優しいね美乃里は

失ったものも、失った人も確かに返ってはこないかもしれないけど

みんな大事な人は失いたくないと思ってる

美乃里は失った事があるからその想いが強いんだよね…

だけどさ、起きてしまった事はしょうがないの

起きてしまった事に目を向け過ぎてるんだよ

美乃里のせいじゃない

美乃里を責めてるのは美乃里だけだよ」

美乃里は涙が溢れていた

知らず知らずに流れる美乃里の涙をかれんは優しくハンカチでふく


かれん 「何がここまで美乃里を苦しめてるのか知らないけどさ…大丈夫だよ美乃里

守さんも私もいなくなったりしないから

もっともっとさらけ出して甘えてよ…ね?」


美乃里 「ん…っっ」


美乃里は静かに泣いていた


かれん 「よーしっ、守さんの手作りお粥を頂こうか」

ニコッと笑うかれん

2人は入社式でのことや、上司のこと、美味しいカフェのこと他愛もない話しを沢山した


美乃里は考えていた、過去のこと…

そして今とこれからのことも