すごくカジュアルに書きたいのだけど、読む人によっては敷居が高いかもなので note に書こうかなと思った話なのですが、カジュアルにどんどん書いてからまとめようかな、と。
MMTにものすごく大きな影響を与えたゴドリーの考え方について、ちゃんとMMTやマルクスと連結していることを理解するための一助になれば。
ゴドリー&ラヴォアのモデルについて、ちび助さんがDMで質問してくださったときの画像を使いましょう。
これは家計と企業と銀行だけの単純モデルです。
社会の富、すなわち K (実物資産)が名目としてどのように構成されているかをここから読み取ることができます。
ここで K は Fixed capital と書かれていますが、これは通貨以外のすべての資本 (Kapital)と理解しても同じです。だから K なわけです。
さて、表の一番右の列の +K とか -Kは、こういうことです。
このバランスつまり等式がいつも成り立っていることを徹底的に利用するのがゴドリーの方法です。
次に、左の家計ですが、記号は以下の通り。
D : 預金
S : 分配
V : 純資産
S(分配)は企業の株式と考えましょう。企業の持ち主は最終的には誰か個人の資産に帰着するわけですし。
すると、こう。
次に、企業(Firms)です。
商品( K )を資産として持っているのは企業ですから、資産側に K が入ります。
負債側には、借入金 B、家計が持っている Sが入り、Kから B と S を引いたものが純資産 V となる。
このことを図で表すとこうなります。
銀行は簡単です。
資産として企業への貸付金があり、負債として家計の預金があり両者はバランスするとするので純資産はゼロ。
では次に、社会の富 K が、負債側からどのように表せるかを見てみましょう。
企業のバランスのこの式から出発します。
K=B+S+V(f)
純資産 V を V(f) とするのは、家計の純資産と区別するためです。
次に、家計の純資産を V(h) とすると、上式の S は V(h)-D に等しい。
置き換えると、こう。
K=B+V(h)-D+V(f)
最後、銀行のバランスから B と D は等しいのですから、こういことになります。
K=V(h)+V(f)
これが何を意味するか?
資本とは、家計の純資産と企業の純資産の合計ですよ!\(^o^)/、というわけ。
お気づきのようにこのモデル、以下の仮定が入っています。
銀行の機能は金融仲介のみ、企業は在庫を持たない、家計の借り入れはなし、政府はなし。
単純すぎる?
ところが、これらの仮定を外して行っても K=V(h)+V(f) はいつも成立するんです。
そして、企業で生産活動を行ってKを増やしていくと、純資産は必然的に企業のシェアを持っている家計に偏っていきます。
それが資本論第一部に書かれている話なんですけれど、こんな自明なことって説明要りますか?