渡辺えりオフィシャルブログ「夢見る力」Powered by Ameba

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今日は名取市の二か所の仮設住宅に行きました。被災したゆりあげ地区も案内していただきました。


昨年、名取市の体育館の避難所で友人のミュージシャンたちとボランティアでコンサートを開かせていただきました。

少しでも役に立ちたいと伺った私たちでしたが、帰るときに「頑張って!」と私の手を握り、飴を下さった年配の女性がおられました。

「今、必要なものは何ですか?」と聞いて回ると「サイズの合う下着」「化粧水」などの声が女性たちから上がりました。誰もが遠慮して言えなかったのです。被災してからずっと下着を付けていなかったり、同じ下着を付け続けておられた方ばかり。顔もすっぴんのまま、一度も化粧水をつけていなかったのです。けれどそれを言うのをみんなためらっていたのです。

それらの品を集める間、みんなの連絡係となって私とやり取りして下さった方でした。被災する前はおしゃれで沢山の着物を持っていたというその方は本当に明るく元気に振舞っておられました。

私はその方の話を聞いているうちに逆に生きる勇気を与えられました。

我慢を強いられる避難所暮らしの中で、支援しに行った私たちに大事な飴の大きな袋を渡し、頑張って!と明るく声をかけてくれる。今思い出しても涙がこぼれます。

私は本当に頑張ろうとその時に思ったんです。

その方の隣におられた女性が「有名人のサインを貰って下さい。励みになるんです」と言って手を振ってくれました。

私はたけしさん、安住さん、三雲さん、齊藤先生から色紙にサインを貰いました。

別なバラエティーに出演した時もその出演者から事情を話してサインをいただき、それを送ろうとしたときにもうその名取市の避難所が閉鎖されて、その方たちの居所が分からなくなってしまったのでした。


その色紙は何カ月も私の手元にありました。そして今年の四月サンドイッチマンさんのやっておられる被災地に向けてのラジオ番組にゲストで出演した時、サンドイッチマンさんにそのことをお伝えしたら、なんとその方たちを捜しあてて下さったのです。色紙はサンドイッチマンさんがその方に手渡して下さいました。連絡先も調べて下さいました。

そして、今日、再会することができたんです。


年配の女性、Yさんと、色紙を渡すことのできたAさんは別々の仮設住宅におられました。

それで、二か所の住宅の集会所で皆さんのお話をきくことになったのです。


Yさんは昨日は嬉しくて眠れなかったとおっしゃって下さいました。

昨年一緒に行ったミュージシャンが息子さんの使っていた玩具を手渡した主婦のIさんは仮設住宅の中を見せてくれました。その写真をアップします。住宅の前の写真はYさんの住む住宅です。

赤ちゃんの写真はYさんたちが震災の前に住んでいたゆりあげ地区に今も建つ小学校の中に貼られたポスターです。

瓦礫の中からボランティアが探して整理したアルバムや衣服、が体育館の中に並べられています。

赤ちゃんは今でも見つかっていないそうです。

長くなりますので、また明日続きを書きます。