ある馬との別れ | Equine Therapy PARTNERS

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エクウィンセラピー パートナーズ

先週、ある馬がこの世を去りました。

GⅠこそ2着に甘んじましたが、GⅡ、GⅢの優勝を含め、生涯獲得賞金は4億を超えていました。

身体はそれほど大きくありませんし、最近はちょっとやせ気味でしたが、性格はいたって穏やかでした。

 

担当していた若い女性スタッフは、動物好きのとても優しい陽気な女性でした。

ほとんどのスタッフは騎乗運動しかしませんが、彼女は毎朝早く馬房にその馬を迎えに行き、

騎乗する前に曳き馬をしたりストレッチをしたりしていました。

そして、大好きなクローバーの生えた草地に連れて行ってもらい、つかの間のおやつタイムを

楽しんでいました。

スタッフとそんな時間を共にできたことは、この馬にとって、きっと最高の幸せだったに違いありません。

 

朝馬房に行くと、左後肢を上げたまま下に着くことができない状態で立っていたそうです。

当初、フレグモーネの初期症状かもしれないと言うことだったようですが、実際は腸骨骨折でした。

もしかしたら起き上がろうとしたときに、どこかにぶつけたのかもしれません。

相当な衝撃だったでしょうし、ものすごい痛みだっただろうと思います。

 

獣医の診察を受けられたのは翌日でした。すでに右後肢も腫れており、前肢も震えていました。

せめて当日の午前中に診てもらえていたら、何か手立てがあったのではないかと、

非常に残念な気持ちになります。たとえ結果は同じだったとしても・・・。

 

結局、受傷から3日目の夕方、倒れてしまいました。

夕飼いが迫っていたので一旦は必死に起き上がったようですが、その後は力尽きてしまいました。

きっとお腹がすいていたのだろうと思うと、大好きなリンゴや人参をもっと食べさせてあげたかったと

悔やまれます。

 

この馬と関われたのはわずか10ヶ月ほどでした。

やせ気味だったので、もっとタンパク質を与えた方がいいのではないかと、大豆粕を与え始めた

ばかりでした。なぜ急に骨折にまで至ったのか、原因は分かりませんが、もっともっとやれることが

あったのではないかと思うと残念でなりません。

 

19歳の生涯を閉じたことが、未だに信じられない気持ちです。

けれど、この馬と心に残る出会いができたことは、私にとって幸せなことでした。

天国で、きっと幸せに暮らしているだろうことを願いつつ、冥福を祈りたいと思います。