一昨日のお食事会、本当に有意義なひと時を過ごしました。


昨年の『ワンピース』の松竹座・博多座公演で
平岳大さんとはすでに、ご一緒させて頂いておりましたが、
エースと私は出番的に別でしたので、
お話をさせて頂く機会がほとんどありませんでした。


今回『男の花道』の土生玄碵を勤められるにあたって、
先月の私 新橋演舞場の出番を終えての少人数でのお稽古に、
参加させて頂きました。

その折に わりとお話しする機会が増えまして、
今回のお食事会となった訳です(笑)


お父様の平幹二郎さんを彷彿させるお顔からは、想像もできぬほど(笑)
気さくな方で 気軽に受け答えをしてくださいます。

つい先日、残念な事にお父様を亡くされましたが、それは誰もが通る道。


今回の『男の花道』の土生玄碵、『雪之丞変化』の孤軒先生
この対照的な二役を楽しんで演じられておられます。


どなたかかのコメントにもございましたが『男の花道』では強情な
頑固一徹な土生玄碵。宴席での踊りや歌を頑なに拒みますが、
『雪之丞変化』の孤軒先生では長崎ぶらぶら節を鼻歌交じりで歌います(笑)

昼夜ご覧になられたお客様は、このギャップも面白いでしょうね(笑)


さて、ここからは 盛大なネタバレと云いますか 何と言いますか・・・
ま、重大な元ネタ披露ですので 気になります方は ご注意を。

ただし、このネタばれは おおよそ20年前のご観劇の方しか
ネタバレ扱いにならないと思います(笑)


『艶姿澤瀉祭』では、独特のフラメンコを踊られます。

フラメンコと云うので、私はスペインかメキシコ辺りの衣裳を
着られるのかと思いの他、時代物の衣裳で登場!


イメージ 1



イメージ 2



この衣裳 見覚えの方はかなりのおもだかや通!

スーパー歌舞伎『オグリ』初期の上演の際、ポスターにもなり 
序幕 笑也さん扮する 龍子と対となる真っ赤なバラをあしらえた、
猿翁旦那が用いられた衣裳です。


この衣裳を見るのは1992年(平成4年)のスーパー歌舞伎『オグリ』の
上演以来ですから25年ぶりでしょうか? よくぞ残っていたものだと、
感心致しました。(笑)

その後の、1998年(平成10年)の新橋演舞場、中日劇場の上演では
この場面はかなりカットされてしまいまして 印象も違いました。
この衣裳・・・使われていたか いなかったか・・・

ちょっと記憶があやふやなのですが、出ていたとしても 短い場面でした。


本当によくぞ残っていた、そして よくぞこの場面で この衣裳を!!!
これは、私にとりましては 澤瀉祭 一番驚いたことの一つです。

平さんのバラをあしらえた洋でありながらの和の衣裳と、
猿弥さん 猿四郎さん 喜猿さんたち扮する3人の男たち

この3人も『オグリ』で用いられた衣裳で、金田龍之介さんや猿弥さんが
扮した女郎屋、近江屋の主人が着ていた衣裳。

他の二人が羽織っているのは近江屋の女郎たちが着ていた着物です。


このフラメンコの場面 なんとなくスーパー歌舞伎『オグリ』を
彷彿させる場面となっております。(笑)

もう、かなり前の作品ですし、残念ながら諸事情もございまして
なかなか映像化されない作品なのですが こうして全く違った形で
また日の目を見ますのは 作品に関わりましたものとして 嬉しいです。


この衣裳を着た三代目猿之助(現猿翁)旦那が表紙の筋書きも
恐らくどこかでは入手できると思います。
これも、ご存知なく手に取られた方は びっくりされるでしょうね


50分ほどの短い舞踊『艶姿澤瀉祭』ですが、まさに「澤瀉祭」
色々と 思い出深い事もこうしてあるんです。

見どころ満載の演目となっております。
一度と云わず、皆様のご観劇を心よりお待ち申し上げております。