今月の『加賀鳶』の私のお役は、道玄をつかまえる
岡っ引き(目明しとも云います。)の手先の一人です。
名前はあるのかなあ?

台本には名前はないのですが、自分の知らない所で
筋書には名前が載っている!なんて事は よくある事なのです(笑)

今回はどうでしょう(笑)



写真は目明しの、早房の長次役の松本錦弥さん

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岡っ引き(目明し)と云うのは、一応 奉行所からの監察を貰い 
同心からもお給金を貰ってはいるのですが、公の立場の警察ではなく
もちろん それだけでは生活ができず 居酒屋や蕎麦屋など 
別にお店等を仕事で持っている人も 多かったみたいです。

テレビや映画などの 銭形平次や黒門町伝七 人形佐七のように、
悪人をかっこよくバッタバッタと 捕えるヒーローの様では
なかったみたいです。(笑)

そして按摩の道玄を捕まえに行く私たち手先。

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向かって前列 右から中村かなめさん 中村東三郎さん
後列右から 澤村宇十郎さん 私猿三郎 片岡千蔵さん 片岡松十郎さん

この他にも中村山左衛門さん 中村梅秋さんが一緒ですが、
短い出番前には全員集合とは、参りませんでした。

普段は一緒にならない、不思議なメンバーでしょ?(笑)



手先と云うのは、目明しの親分が私的に雇っている 私立探偵的な存在。
ですからその都度 仕事をすると親分から その時に報酬を貰っております。

いざと云う時の緊急出動隊で 目明し同様 普段は別な仕事についており
捕り物や探索の時だけ その仕事をするという人たち。

いわゆる 派遣労働? でしょうか?(笑)


ですから、写真の私たちもそれぞれが 違った扮装ですが、
これは別に 変装している訳ではありません

呼ばれたので来た、そういう ま、言ってしまえば そういう事なのです。


私と松十郎さんが 袢纏を羽織っておりますが 私は「玉屋」
何屋でしょうか?
花火の職人ではない??かなあ?
飾職人かも知れませんね。


松十郎さんは 恐らく恰好的には 船頭です。
袢纏が波模様です。
江戸の町中の川で ちょき舟か屋形船を操っていたのではないでしょうか。


道玄と云う小物をつかまえるために 長次に雇われている 云わばアルバイト。

鬼平犯科帳などの様に、大悪党たちを捕まえる時は、
奉行所が 雇っている人たちが いつもの捕り手の姿をして 
出動して参りますが、道玄の捕り物はこう云った下級の町人が 
役まわりとして捕まえます。

もちろんこれは、長次一家の手柄となって おそらく奉行所から
ご褒美を頂く事になると思うのですが・・・(笑)


江戸庶民のこういった普段の生活が分かると 
歌舞伎の中の世話物の世界も広がるかも知れませんね。