『夏祭浪花鑑』で、先日のお梶(壱太郎さん)の父と云いますと、義平次。

そして番頭伝八(猿弥さん)と結託して 磯之丞から五十両をだまし取る義平次。

困ったおやじ、三河屋義平次。



お梶の夫である団七九郎兵衛にとっては 義父にあたります。

この義平次 何かにつけて金の亡者です。(笑)

住んでいる所も「長町」と 磯之丞が申しております。

(長町については、以前のブログや地図を参照下さい)


この様な父から お梶の様なよく出来た娘ができるのが、歌舞伎の妙。

よくありますね、歌舞伎の中には・・・(笑)



この義平次役は大変難しく まして通しで上演するとなると、

「内本町道具屋」「番小屋」からの登場となり 「三婦内」「長町裏」と
連続の出番となります。

御承知の通り 「長町裏」では団七と1対1の長丁場の台詞のやりとり 

その後の泥にまみれての おお立ち回り

実際の所 かなりの体力を使います。



この義平次のお役 舅と云う立場から 見た目にも、もちろん若い人にはできません

もっとも猿翁旦那が団七を演じておられた時 この義平次役は実弟の段四郎さんが
演じておられました。

1975年10月御園座公演 初役その時、段四郎さん29歳。

その後1979年4月明治座。33歳。

この配役は 今から思いますと、かなり凄いですよね。


今の一門で大まかな年齢的に云いますと・・・

4代目猿之助さんが団七をしていたとして、
弘太郎さんが義平次をしているイメージでしょうか。

・・・変な感じですね(笑)
・・・書いていても 想像できません(笑)
・・・ちなみに私は 今の喜美介さんより 少し上? ・・・若い!!!(笑)


それでも、当時、段四郎さんは、義平次役が終わった時は 
かなり体力を消耗されており お疲れのご様子でした。

それだけ 大変なお役なんですね。




今月の義平次は 私の先輩にあたります 嵐 橘三郎さん ※※歳。(笑)
お歳はあえて伏字に致します。

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このお役、重ねて申し上げますが、かなり大変だと思います。




父 嵐冠十郎 亡き後 嵐姓を名乗っておられるのは 前進座は別として 
もう橘三郎さん お一人となられました。


私が云うのものおかしなものですが 歌舞伎界において 嵐姓の復活は 
もうないのでしょうか?

(お前が言うな!という お叱りを受けそうですが・・・)
 

嵐橘三郎さん、現在の歌舞伎において、やはり貴重な存在のお方です。


橘三郎さんは プライベートでは 英国紳士風の恰好いい方です。
ジェントルマンと云う言葉の似合う 橘三郎さん。

今月は別の楽屋ですが、以前二人の楽屋だった折には、
毎日美味しい日本茶を 入れて下さいました。


今月は、正反対ともいえる義平次のお役ですが、
普段の橘三郎さんは、私が逆立ちしても 真似できない 雰囲気をお持ちです。
(私は ペットボトルのお茶ですから・・・苦笑)


見習いたいのですが、私はどうやっても 庶民派ですね。
実生活も お役も 庶民派 猿三郎です。