今日は再び おもだかや襲名披露公演の初日。

昼の部に『ヤマトタケル』が上演され 
夜の部に古典歌舞伎が並びました。

『ヤマトタケル』が夜から昼に移りまして、
新しい古典の演目が と申しますと それだけなのですが、

実はここにそれだけではない 大きな違いが・・・。



先月は夜の部に『ヤマトタケル』がございましたが、

昼の部は ほぼ所作板が敷きぱなしの『口上』と『四の切』でした。


朝一は『小栗栖の長兵衛』 これは 地がすりと云われる布を 
舞台一面に敷き詰めて 土色の雰囲気を 出しておりました。



ですから、『ヤマトタケル』で使用する舞台面の黒い布を 
敷いたまま 所作なり 地がすりを 敷けばよかったのですが、
今月はそうは 参りません



『口上』と『黒塚』は所作舞台ですが、『将軍江戸を去る』にしろ
『楼門五三桐』にしろ 舞台面は本来の 板目の地舞台。


と云う事は 昼の部の『ヤマトタケル』終了後 
夜の部の開演時間までに この黒い布を撤去しなければなりません


これは大道具さん 大変な作業です。 


ただ一面に敷くのではなく 盆の切り目の円形の布 その中の

大ぜりや小ぜりの、切れ目切れ目の大きさの布を 

その大きさに合わせて うちつけなくてはなりません



昼の部が終わった後にはがした布を 

次の日の朝にまた『ヤマトタケル』の為に またうちつける作業。

これが毎日 つづくのです。


本来 スーパー歌舞伎と古典歌舞伎が同時に上演できない理由の
ひとつが これでございます。


さらに 先日も申しましたが 先月の昼の部の大道具の吊り物が 
撤去され 今月の分と 入れ替えられました。


今日の初日、『ヤマトタケル』の舞台は変わりませんが 
その前後にある吊り物の位置が 微妙に違うのです。


『ヤマトタケル』のお芝居自体のお稽古は、
する必要がないかも知れませんが 道具転換の為のお稽古は 
本来はしたかった筈!!


そう云った意味のぶっつけ本番の今日の初日 『ヤマトタケル』

何とか 無事に終わりましたが、一番 ホッとしているのは 
大道具さんと演出部では ないでしょうか?



見えない所の苦労 本当にご苦労様ですの初日でした。