本日、師、猿之助と原作者 梅原先生がカーテンコールに登場と云うサプライズがありました。
私たちも 知らされたのは 楽屋の館内放送で 3幕の開く直前であったため
え? と 皆 わが耳を疑いました。 

お芝居の全幕が終わり 通常のカーテンコールに続いて 2度目のカーテンコールに
猿之助丈がタケルとタケヒコに促されながら 上手から舞台に登場した時
客席の皆様には 悲鳴と嬌声が起こり 思わず泣き出すお客様も大勢 見受けられました。

続いて梅原先生が兄姫に連れられて 舞台へ来られ お二人が握手を交わされ 
カーテンコールは絶頂を迎えました。 

今日と云う日が 予定されていた訳ではなく 自然に起こったサプライズ
お客様には どう映ったでしょうか?

私事ですが 実は今日 幼稚園から中学まで一緒に過ごした親友が 
猿三郎襲名の舞台に駆けつけてくれました。

30年の月日の間 途絶えていた友と 襲名を機に 一機に時間が縮まり
終演後 中学の頃の友との会話に 懐かしさを覚え話がはずみました。

その彼の話の中に 蝦夷のヤイラムの台詞に心を打たれ
山神の人間の傲慢と云う台詞に かって自分もそうだったと
彼は彼なりに タケルの中に自分の人生を 映し出して 
感動して 涙を流してくれたそうです。

彼曰く 私にはその時 倭姫にあたる人がいなかったと・・・

正直、彼は歌舞伎どころか お芝居を観たのも初めてと云う事で
彼が心を打たれたのは 初演の折の猿之助丈と梅原先生の哲学に等しい
脚本の台詞と お二人の生き様に感動してくれたのでしょう。

個人的な事ですが 私は彼のご両親に大変お世話になり
彼とは兄弟同然に 育てられました。
おじさん おばさんに今日の私の姿を見て頂きたかったのですが
お二人はすでに 他界されており 彼に見ていただくのはお二人への
ご恩返しの一つのつもりでありました。

師猿之助が作ったスーパー歌舞伎は 梅原先生と云う 長の友と続き
その舞台に立たせて頂いている自分は またそこで 友と再会いたしました。

人生 捨てたものではありません 明日はまた 
どのようなサプライズがあるのやら 毎日が楽しくてならない今日この頃です。