つまり日本人選手のほうがスペイン人と比べて圧倒的に練習量が多いのになぜ日本人はスペイン人ほど上手くないのか?という疑問が湧いてきます。



もちろん一般的にです。日本人の子でもスペイン人より上手い子はたくさんいますし、スペイン人でも下手な子は一杯います。


そこで僕は「もしかしたら進む方向が間違ってて、でも、未だ進むべき方向性が見つからないから『とにかく頑張ればいいんだ』と言っているだけではないのか?」と考えました。


間違った方向に進んでいるということは、いくら速く進もうと頑張っても意味がない。


経営者である大前研一さんは日本の問題解決力について「舵を操るコックスに問題があるのに、オールを速く漕ぐから、間違った方向にいっそう速く突き進み、いっそう早く壁にぶつかる」と記しています。

ここはとにかく頑張るというよりも、一度止まってみて「はて、どこに向かっていけばいいんだろうか?」考え、その答えが出てから、その方向へ向かって突き進むようにする必要があるように思うのです。


確かに自分がやってきたこと、教えてもらってきたことを「間違っているから改めなさい」と言われると抵抗感がありますし、拒絶反応を示してもおかしくありません。

否定されるのは辛い。


事実、僕も最初はなんでスペイン人はこんなに練習嫌いなんだ?とずっと不思議に思っていましたし、


ずっと「なんでこんなに練習嫌いなスペイン人に僕らは負けているのか?」と考え続けていました。


もちろん、日本の指導者の方々も、協会も一生懸命考えて「どうしていけばよいか」と考えているでしょうから、それを否定するつもりはありません。


ただ、ただ今は進むべき方向性をもう一度見つめ直す時期なんだと思います。


スペインのやり方がよくて、日本が駄目だといっているんではないです。


しかし、多くの日本の指導者の方が、仕事の合間を縫って、また家庭を犠牲にしてまで一日中サッカーをするんであれば、


もっと効率的なやりかたで上手く時間を使い、家族サービスもしながら、さらにサッカーの指導にも集中するというやり方があるのではないかということが言いたいのです。


そういう風に持っていかないといけないのではないかと。


選手にしてもそう。長い時間練習すれば良いというものではない。

効果的な時間の使い方を覚える。


一日中サッカーしても疲れるだけで、効果的ではありません。それに悪影響です。


1時間半だけサッカーに集中して、それ以外の時間は友達と遊んだり、本を読んだり、サッカーとは違うことをする。そうすればテスト期間に練習を休まなくても、選手達は勉強する時間を確保できますし、効率的な時間の使い方を覚えます。

また、覚えるように仕向けていかないといけない。



それでも、勉強をしていない選手というのは「あなたの時間の使い方が悪いからです」となる。


ましてや一日に何試合もしても疲れるだけ。そうやって土日はサッカーだけで埋まり、それを続けていくと燃え尽きてしまう子供が増えるのです。


僕は声を大にして言いたいです。


土日にお弁当を持ってまで一日中、練習したり、試合をしても意味はありません。頑張った。疲れただけです。それで努力しているとなるし、「自分達は頑張っている」と思う。


そもそも大人でさえ、そんなに長い時間集中できないのに、どうしてそれを子供に求めることが出来るのでしょうか?


努力=がむしゃらに頑張るではなく、

努力=明確な目的に向かって効率的に進む


にしてみてはどうでしょう?