GK理論の紹介を他のページに書かせてもらいました。


さらに補足を付け加えながら、ここでもご紹介したいと思います。


GK理論①

GK理論②

GK理論③

GK理論④

GK理論⑤

GK理論⑥

GK理論⑦


以下、頂いたレポート訳


GKは最初の攻撃選手であり、最後の守備選手である。


チームの中でもGKは特別、そして異なる存在である。よって、求められる練習(技術、戦術、心理)も他の選手とは異なり、より専門的な練習が必要となる。



唯一全ての挫折を味わい、味方選手のゴールの歓喜の和に加われない存在(なぜなら相手陣地で祝福しているため)。



戦術部分に移る前に基礎技術の習得を大前提とする(つまり、基礎を固めてから戦術部分へ。その重要度はフィールドプレーヤーより大きい)。



フィールドプレーヤーとは異なるフィジカルコンディション、準備が必要となる。多くのチームに見られるミスとして、GKもフィールドプレーヤーの一員として同じようなフィジカル練習を行っているが、そうすれば、そのGKはフィールドプレーヤーと同じようなリズムでプレーするのろまな選手になる。



GKの練習でもっとも重要なのは、試合中、様々な状況における解答を探し出すこと。失点を他のチームメイトのせいにするのは絶対にしてはいけない。コーチは選手に常に問いかけ続ける。「私(コーチ)のミスは何だったのか?」「その失点を防ぐために必要などの情報を選手に伝えていなかったか?」「選手のパフォーマンスを向上させるために、何の技術/戦術知識を広めなければいけないか?」「力量不足はどのような影響を与えている?」「今のミスを修正するための指導方法は?」



全てのゴールは防げるものである。セットプレーでも何でも全て失点につながるアクションを見ていけば、原因は判明するのだ。



無数のアクションをGKに要求し、状況に応じて、どれが相応しくないプレーなのか判断させる。ミスを振り返り、適切なプレーを理解する。ミスはGKのミスではない。ミスは私達指導者のミスなのである。



GKとは指導者の延長上にいる存在で、その代表としてグランドに立っている。つまり、唯一全体を後ろから見られる存在であり、攻撃、守備においても発展させることが出来る。指導者は、チーム規律も、情報伝達も全ての選手に教えていかないといけないが、その中でも、相手チームの情報、セットプレー、プレースタイル、プレーリズムなど戦術的要素を最も知っておかないといけないのはGKである(なぜなら、試合においてもっとも影響を受けるからである)。



さらに重要なのは心理面での準備である。すでにGKは常に孤独な存在であることは書いたが、これによりGKとの仕事は非常に繊細で、刺激的なものであることが分かる。



GKの仕事とは、責任感の塊であり、しかしながら、全ての責任を全う出来るわけではない。彼のその手にはチームの出来・不出来が掛かっており、それによって感じるプレッシャーも当然大きくなる。よって、我々指導者は常に正しい方法でモチベーションを高め、注意を向け、そして全てを捧げていかないといけないのだ。



現在良く起こるのが、以下のようなことだ。GKコーチは「今日、うちのGKは死ぬほど厳しい練習をたくさんした。今日はぐっすり眠れるだろう」と言うことがある。これは本当に馬鹿げたミスだ。


間違いなくこのGKは練習量をこなし、疲れたに違いないが、何を学んだか全く覚えていないだろう。理由も無く、見た目に良い練習を好む人が多い。

何のためにこの練習を行うのか勉強もせず、ほとんどの場合が、指導者の勝手な好みで練習メニューを選び、それも見た目がかっこいい、鮮やかな練習であるということだけで練習を組んでいる。


それが実際の試合の場面につながる練習になるだろうか?そういう監督限って、本をたくさん読んで勉強している(気になっている)。しかし、その本の通りに練習をさせているだけで、その練習の必要性、効果など事前に調べてはいないし、それでは選手を教育出来るはずもない。

この時、GKコーチはキックマシーンと化す。もしくは本に出ていることを実践するだけ。ほとんどの場合、コピーライターのコピーライターとなっている。