スペインの練習の大半はボールポゼッションであると言っても過言ではありません。



これは、僕が弟子入りしているアスレチック・ビルバオのランデルコーチの話なんですが、彼は「昔、スペインでは蹴って走るサッカーが主流だった。それではいけないと徹底的につなぐ、ボールを奪われないサッカーが志向された。しかし、現在ではあまりにボールポゼッションにこだわりすぎるあまりサイドチェンジが減り、シュートレンジに入ってもシュートを打たないとあまりにリスクを冒さないサッカーに偏りつつあるんだ。」と。


確かに・・・


これは一理ありますね。ボールポゼッションを大事にしないことも問題ですが、ボールポゼッションにこだわりすぎるとボールポゼッションの為にボールポゼッションをするようになってしまいます。


それを危惧している彼は、以下のような練習方法を考えました。


ボールポゼッショントシュート


2チームでのゲーム形式の練習です(人数、グランドの大きさはレベルや環境に合わせて調整)

黄色チームはボールポゼッションが目的。青チームはボールを奪ったら、2つあるゴールの内どちらかのゴールにシュートを決めるのが目的です。当然時間で目的をチェンジします。


こうすると片方のチームの目的はボールポゼッション、もう片方のチームの目的は素早くボールを奪ってシュートまで行くとなります。選手達がきちんとこのゲームの意図を理解し始めると素晴らしいプレーが出てきます。


特にゴールを決める方のチームは「どこで?」「どのように?」ボールを奪ってシュートまで行くと有効か考えなければいけません。


「ボールポゼッションは大切であるが、それが最大の目標ではない。最大の目標はゴールを決めることである」


面白い練習です。ただし、この練習は本当に選手達がサッカー戦術コンセプトを理解していないと難しいので、何度もフリーズすることが必要かもしれません。