今回は2005年の最後に、私たちが今できることを考えてみたいと思います。2005年はこのブログでもお伝えしたホワイトバンドで有名になった「ほっとけない、世界のまずしさ」が世界的な盛り上がりを見せ人々のあたたかさが見られたり、逆に大寒波や大津波といった自然災害にも悩まされた年になりました。

来年2006年はもっと自然災害が増えることと思います。これは温暖化などの影響もあり仕方のないことだと思います。防ぐ技術と使う人の精神力が高まらない限りどうしようもありません。これら自然災害にしても、来るか来ないかを悩むよりも来た時にどのように対処するのかを考えておきたいですね。それが自分に関係ない地域であったら良いとかそういったことではなく、世界どこで起こっても助け合う気持ちや他人意識にならない気持ちは日頃から持っていたいものです。

さて、今回のブログはそんなことの1つの取り組みとして頭のどこかで覚えていてもらったら良いと思う取り組みを紹介します。少し長いですが、お伝えしたいことは1つだけです。たったひとつです。株で儲けた人、ITで儲けた人いろいろな2005年だと思いますが、最低限の生活に満たない人が世界にたくさんいることも忘れないでください。


『人々の生活に変革をもたらすために貧しく、抑圧された人々とともに働くこと、また、正義を追求し、人々の物心両面の必要に応えるために全人的な働きを行うこと』

を基本理念として活動している非常に素晴らしい団体があります。それが、ワールドビジョン(WORLD VISION) 。世界各国に事務所を持つ特定非営利活動法人です(キリスト教精神に則っていますが、キリスト教の信者でなくても参加できます。ちなみに本稿の執筆者はクリスマスも楽しみ、正月も祝う典型的な日本人であり、いかなる宗教にも属していません。もちろん本稿は勧誘等でないことを予め断言しておきます)。このワールドビジョンでは日々貧困や飢餓で苦しんでいる人達の手助けになればと活動を行なっています。先に挙げた基本理念のほかにビジョンステートメントとして下記のようにも掲げています。


私たちのビジョンは、すべての子どもに豊かないのちを
私たちの祈りは、すべての人の心にこのビジョンを実現する意志を

Our Vision for every child, life in all its fullness;
Our prayer for every heart, the will to make it so



実際に何をやっているかというと、(特に援助を必要としている国の)子供達が健やかに成長できるよう国民から「チャイルド・スポンサー」を募集します。チャイルド・スポンサーとは援助を受ける子供1人に対して援助するスポンサー1人がいて、そのスポンサーのことを指します。このスポンサーは月々定額(日本では4,500円)を寄付することで、子供を1人無事に成長させることができ、その仮定を遠くから見守ることができます。この一連の流れを作り出しているのがワールドビジョンです。

このチャイルド・スポンサーシップ以外にも「プロジェクト・サポーター」(貧困、飢餓、HIV/エイズ、戦禍など、開発途上国の特に困難な状況にある子どもたちを支援するためのプログラム)というものや、「緊急援助活動」(大地震や津波、洪水などの災害や、紛争などの緊急時に、食糧、衣料、毛布、テントなどの配布や、人々の精神的ケアなどを実施)などを行なっています。

チャイルド・スポンサーのように定期的に援助を!という人でなくても、宝くじ当たったから今月だけ寄付を!という人でも大歓迎のようです。

不動産投資で有名なロバート・キヨサキ氏も著書の中で、収入の多さに比例して寄付も同時に行ない、キャッシュの出入りの流れと金銭感覚のバランスを作るべきだと言っています。ロバート氏がここで言ったことは決して「少しでも人の役に立てば」という観点から述べてはいないかもしれませんが、やはり精神的なバランスを取るためにも寄付など生活以外での支出を作るべきという観点においては私も賛成です。

自然災害が遠方で起きた時にすぐに飛んで援助にいくことは物理的に難しく、二次災害などの危険も考えられます。もちろんそこまでフットワーク軽くいける方は素晴らしいですが、なかなか難しい。また、慢性的な貧困に対して自分ひとりが貧困の激しい地域に行ってできることは限られたり、そのやり方がわからなかったりします。

そのような時はやはり意識は現地に行くのも、日本にいるのも同じでいて、何らかの形で援助を行なうことが現実的だと思います。そういった場合のためにこのワールドビジョンもあるのだと思います。裕福な日本にいると忘れてしまいますが、明日生きているかわからない人も世界にはたくさんいるのですよね。ちょっと予定外の収入が入った、ちょっと人に助けてもらった等々、その嬉しさを世界の子供達に届けてあげることも頭の片隅に置いておき、何らかの形で表現していただけたら良いのではないかと思います。

2006年も良い年にしましょう。

【Culture Express http://blog.livedoor.jp/transmiley/ No.55】