今はどこの地方に行っても、駅前の商店街は「シャッター通り」と言われるくらい悲惨な状況になっている。

なぜこのようになったのか?それは車社会の到来とそれに伴う郊外SCの成立が主な要因だろう。もちろん、商店街の店が通行客の多さに怠けて「商売」を忘れてしまったことも要因だが・・・。そもそも戦後60年が経ち、高度経済成長の時に立てられたビルは古くなりその頃に開発された商品や仕組みは優秀なものを除いてほとんど残っていない。もちろん会社などでも同じで30年続く会社はほんの一握り。そんな街や商店街、商品を再生させるひとつのプロジェクトが存在する。それが「D&DEPARTMENT PROJECT」。様々なもののデザインを世間に発表していくこのプロジェクトは世田谷にあるデザイン会社が行なっているもので、現在は「リサイクル」や「作らない」「普遍的」をテーマに活動を行なっており、そのプロジェクト数は「リサイクル」「ショップ」「グッドデザイン」「ホテル」など20にも及ぶ。コンセプトこそ上記のように「デザイン消費する」ということに置かれているが、このプロジェクトが今後、街や商店街、商品を活性化していくのではないか、その発端になるのではないかと思っている。そのプロジェクトを店舗化して表現した東京都世田谷にあるD&DEPARTMENT STOREは驚くほど素晴らしい。グッドデザイン賞に輝いた多数の商品と、リサイクル家具などを扱ったショップに居心地の良いカフェがある。このプロジェクトに賛同する人達の「輪」が日本中に飛び火してもおかしくはない。完全に死んではいない商店街。新商品によって忘れ去られてしまった商品、デザインを付加することによって生まれ変わるマンション・オフィスビル。どれも新しい力によって再生が可能なのである。D&DEPARTMENT PROJECTが日本再生の火付け役になって欲しい。