高校入試では、学校によって「作文」や「小論文」が課される。

しかし多くの中学生が、何を書けばいいのか分からない、自分の意見ってどう出せばいいの?作文と小論文は何が違うの?文章にまとまりがないと言われる、語彙が少なくて不安

などなどと、作文の悩みは数多い。

 

今回は中学生向けの作文対策について書いていく。

 

まず作文とは、自分の考えや感じたことを、分かりやすく相手に伝える文章のこと。

 

入試で出される作文は、社会問題、学校生活、友人・部活動、将来の目標、地域とのつながり、身近な経験といったテーマが多く、「あなたはどう考えますか?」が必ず問われる。

 

そもそもよく比較される作文と小論文の違いは以下の通り。

 

【作文】

★主観(自分の経験・気持ち)が中心

★思ったこと・感じたことを書いて良い

★個人的なエピソードが有効

★“自分らしさ”が評価される

★中学生の入試ではこちらが多い

 

【小論文】

客観(事実・データ・社会の視点)が中心

★感情ではなく論理で説明

★明確な主張 → 理由 → 具体例 → 結論 の構成

★社会への問題提起が求められる

★国立高校や難関私立でよく出る

 

つまり作文=自分の考えを分かりやすく述べる文章、小論文=論理的に主張を展開する文章と覚えておけば十分。

 

では高校入試で課される作文は何を見ているのか。

 

① 文章力(読んで分かる文を書く力)

主語・述語が対応しているか、説明がズレていないか。

 

② 論理性(理由がはっきりしているか)

思いつきではなく、考えて書かれているか。

 

③ 思考力(問題を深く見ているか)

自分なりの視点があるか。

 

④ 表現力(適切な語彙・言い回し)

丁寧な文章か、読みやすいか。

 

⑤ 誠実さ・人柄

極端な表現や攻撃的な文章でないか。

 

つまり、作文は“あなたという人間を測るテスト”でもある。

 

作文は“型”を使うと非常に書きやすくなる。

作文には黄金構成「序論 → 本論 → 結論」がある。

 

① 序論(テーマの確認+自分の主張)

まず、テーマについて自分はどう考えるのかを簡潔に書く。

例)

私は「挑戦する姿勢」の大切さについて、二つの理由から必要だと考えています。

 

② 本論(理由①の具体例 → 理由②の具体例)

文章の中心。

入試では「理由」と「具体例」がセットで必要です。

例)

一つ目の理由は、挑戦は自分の成長につながるからです。私は部活動で〜

二つ目の理由は、新しい環境でも前向きに行動できるからです。実際に〜

 

ポイントは、

“経験談は短く、理由をしっかり書くこと”

 

③ 結論(文章全体のまとめ)

序論で述べた主張を、少し深めた形で締める。

例)

以上の理由から、挑戦を恐れず行動することは、今後の高校生活にも生きると考えます。

 

■ 作文でよくあるNG例

NG①:経験談が長すぎる

作文は「日記」ではない。

エピソードは1〜2行で十分。

 

NG②:理由が弱い

「なぜそう思うのか?」が説明されていない作文は評価されない。

 

NG③:結論が序論とズレる

初めに言ったことと最後に言ったことが違うと一気に減点。

 

NG④:「と思います」を連発

語尾が弱くなる。

「と考えます」「と感じます」など言い換えを使うべき。

 

NG⑤:話が突然飛ぶ

接続語(しかし・そのため・一方で)が大切。

文章の流れを作る“道”のような役割。

 

■ 入試作文で使える“語彙”も少し紹介

理由・根拠・視点・課題・解決・行動・役割・責任・成長・挑戦・影響など、これらが使えると文章が一段階レベルアップする。

 

作文は才能ではない。

構成(型)を覚えれば、誰でも書けるようになる。

 

高校入試は“考えを表現する力”を重視している。

書くことが苦手な生徒ほど、型を使うと一気に書けるようになるので、ぜひ今日から練習してみてほしい。