中学生にとって「働く」と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは “お金を稼ぐこと” かもしれない。
もちろん、お金は生活に欠かせない大切なもの。
しかし、大人が本当に感じている“労働の価値”は、それだけではない。
むしろ、お金以上に大切な価値の方が、人生の幸せにつながると言っても過言ではない。
では、労働の本当の価値をどう子どもに伝えるか。
人は他人と関わらずには生きられない生き物。
労働とは、自分の力で社会とつながる行為。
誰かの役に立つ・誰かの困りごとを解決する・社会を良くする・世界に貢献する。
働くことは「自分が社会の一員である」と感じられる行為でもあり、自己肯定感につながる。
働くことの本質は、他者への貢献 。
学校の掃除を例にするとわかりやすいが、
教室がきれいになる→友達が気持ちよく過ごせる。
誰かのために時間を使った。これは“小さい労働”。
大人の仕事も同じで、労働とは「誰かの問題を解決し、ありがとうを生み出す行為」。
この「誰かの役に立っている」という感覚こそが、人が幸福を感じる最大の要素であることを、心理学・幸福学の研究でも示されている。
働けば働くほど、新しい知識が身につく・人とのつながりが増える・コミュニケーション能力が鍛えられる・問題解決力が伸びる。
つまり、労働には「自分を成長させてくれる価値」が備わっている。
学び続ける大人ほど、仕事が楽しくなるのは、労働そのものに成長の喜びがあるから。
実際に働いてみると、自分の好きなもの・苦手なもの・価値観がどんどん明確になる。
人と話すのが得意・コツコツ作業が好き・新しいアイデアを考えるのが楽しい・誰かをサポートするのが好きなどなど。
労働は、「自分が何者かを知る行為」。
中学生にとって、将来の進路を考えるうえで、働くことの価値を理解することはとても大きなヒントになる。
意外かもしれないが、労働は人生の自由度を上げる。
働いて収入を得ることで、学びたいことが学べる、行きたい場所に行けるなど、やりたいことを形にできる。
つまり、労働は「選択肢を増やす力」。
子どもにとっては、「将来自分で生きていける」という自立の実感にもなる。
最後に、心理学者チクセントミハイが提唱した「フロー理論」について。
人は “夢中になって取り組める活動” の中で最も幸福感を得る、という理論。
良い仕事には以下の特徴がある。
課題がある・スキルが試される・難しすぎず、簡単すぎない・完成すると達成感がある。
これらはすべて、フロー状態(夢中・没頭) に入りやすい条件
つまり、労働とは「人を幸せにする“仕組み”の集合体である。」
“働くことが好き”という大人がいるのは、労働が本質的に幸福感を生む行為だから。
では、どう伝えると子どもが理解しやすいのか。
「仕事ってね、人の役に立つことなんだよ」この一言が、子どもの価値観を大きく育てる。
食器洗い
料理の手伝い
部屋の片付け
ペットの世話
これらは全て“小さな労働”。
終わったあとに必ず「ありがとう」を伝えることが大切。
「ありがとうをもらう経験」が、労働への肯定感を育てる。
労働はお金を稼ぐためだけの行為ではない。
★社会とのつながり強化
★成長する
★自立が強まる
★貢献を感じる
★自己理解深まる
★選択肢増やす
★ありがとうに救われる
★幸せを感じる
これらすべてが労働の価値。
中学生のうちに、
「働くって、ただ大変なだけじゃないんだ」と思えることは、将来の進路選択にも大きなプラスになる。
働くことは、人生をつくる行為。
