骨を弔う 宇佐美まこと著 小学館 2018年7月3日初版第一刷  東図書館

 

 

「殺した夫が帰ってきました」の奥付で紹介されていたので予約

現在の話と<過去の話>が交互に出てくる感じ。

 

 

四国の替出町、田園地帯だったが、町全体がスポーツ公園となり、住民は追い出される形で町外へ。

29年前、小学校5年の時、級友5人で、骨格標本を遠くの山に捨てに行った。

 

現在になり、故郷の堤防から、骨格標本が発見された。

豊は、捨てに行った骨格標本が気になり哲平に相談した。

 

<当時、徳田家では、夫妻の様子がおかしくなり、大量のシシ肉を買い込んだが、食べきれず庭に放置して、腐臭がひどくなり、民生委員である豊の父が何度か行った後、裏庭に埋めた。>

 

豊は、京香に会い、当時のことを思い出していき。真実子の死を知る。

<行方不明になった原口達夫のこと。4月に新任の事務長が着任し使途不明金が判明、直後に原口達夫が行方不明に。同じ日、真実子も学校を休んだ。その少し前に、京香は、宮田商店で絡まれた相手に人を殺したと言ったのを聞いたという。>

 

<真実子が休んだその日は遠足の日だったが、バスが脱輪して正一は頭を打ってたんこぶができた。

正一は前日に宮田商店で真実子にあったという。>

 

<哲平は兄と、恒夫の元職場の製材所へ端材をとりに行かされた。内風呂が壊れたから、風呂後夜の風呂を沸かしたいという徳田家からの頼みで。そのとき風呂を沸かしたのは真実子だった。>

 

~~~~~~~~~~~~~一・哲平の章 P006

 

本多豊  地方銀行に就職したが、結婚相手を父に反対され、勤労意欲を喪失して家具職人に転職。

大澤哲平  40歳。広告代理店のイベントプランナー。兄が二人いて上の兄は農協勤務、下の兄は広島で義父の会社を継いだ。

大澤利彦  哲平の上の兄。高卒で農協に就職し販売部で徳田家へ納品に行っていた。

朱里  34歳。哲平の同居人。編集社でファション雑誌担当。宇佐美まことの著書を読む。

宇佐美まこと 小説家。

 

佐藤真実子  骨を埋めると言い出し、理科室から骨格標本を盗み出した。町からでて、母の出身地でもある四国の南端の漁港の町へ。骨髄異形成症候群にかかり、進学を断念して療養に専念し、東京の医者にも見せたが、その後死亡したと聞いた。

水野京香   真実子の親友で、提案や計画に賛同する。現在は県議会議員夫人。

田口正一   あだ名はシカク。融通がきかない。現在は東北在住で、東日本大震災で被災。

木下   当時の担任。40代超えで独善的

 

徳田家  真実子が親しくしていた老夫婦。土手下の集落の一番外れの家

・恒夫 製材所で勤務していた。がんで死亡。時系列的には骨を捨てに行ったあと。

・邦枝 夫人

 

琴美 土手下の住人。当時20代半ばで、母と同居し、原口のツテで競輪場で勤務。その後デパート勤務になり、旅行中に知り合った人と結婚して山口県へ。

 

崎山 都会ネズミと真実子があだ名をつけた。小柄で田舎を見下す感じの人。大水がでたとき水路に転落して死亡。琴美の亡き父の親戚。

 

原口達夫 町内在住、当時くたびれた中年。競輪場のお金を使い込み行方不明になったことで、琴美ほか数人も競輪場の職を失った。

 

宮田商店 替田町の店で、酒や雑貨、お菓子などを販売しており、店内には酒を飲むためのイートインスペースもあった

 

戎田左紀(かいださき)  哲平の同僚

 

綾子  豊の姉 千葉在住。豊より8歳年上で、大学の先輩に当たる人物・尚之と結婚。社会人の息子・大河と大学生の娘・美優が居る。

本多智明 豊の父。教師で高校の校長を務めた堅物。民生委員もしていた。

 

初恵 豊と結婚寸前まで行ったが、豊の父に反対された上に、豊の子が流れて、双方気持ちが離れた。

 

~~~~~~ニ・京香の章 P58

 

富永京香  印刷業を営んでいた父が昭太郎の支援者で、昭太郎から息子の嫁にと縁談を持ち込まれたが、結婚直後に父がくも膜下出血で死亡。富永家からは冷たく扱われるようになった。

富永丈則  県議会議員、6歳年上。京香りをDVしている。

富永萌々香 娘

富永澄江  姑

富永昭太郎  舅。糖尿病で議員を引退し、息子に継がせた。

麻友  萌々香と幼稚園~小学校と一緒

 

宇都宮  後援会を取り仕切っているご婦人

 

大倉  丈則の秘書。富永家の遠縁に当たる。

 

 

~~~~~~~三・正一の章 P121

 

下村正一  高卒後に大阪の調理師学校に入学、卒業後は地元に戻っていたが、先輩が宮城に店をだすというのでそこへ入った、美紀とはその店で知り合い、彼女の家へ婿養子で結婚した。野蒜駅近くで民宿「まんいち荘」を営んでいたが、大震災で被災した。野蒜の仮設住宅が3年前に閉鎖になり、東松島市内の仮設住宅に移り住んでいる。東松島市内のコンビニや建設現場でアルバイトで生計を立てている。

・美紀  妻。津波で死亡

・悠馬(ゆうま)  長男。津波で死亡

・彰吾(しょうご) 次男。津波で死亡

・萬一(まんいち)義父。津波で死亡

・英恵(はなえ) 義母。9年前に病死。

 

重松栄子  80歳近く。正一一家経営の民宿の隣人で、多忙時に手伝ってもらっていた。現在は高台に災害公営住宅に移住した。夫はカキ養殖の手伝いに行っている。

 

深尾  東松島市の仮設住宅の自治会長。

 

正一は豊が訪ねてきたことで、自分を取り戻し、久しぶりに食材を調達し料理をした。

 

正一の父は警察官で、ある時豊の父が初恵のことで相談にきていた。身辺調査を頼みたい。初恵の住んでいるエリアの地域課にきくと、男の出入りが以前激しく、妊娠の素振りや産婦人科に行っている様子もないという。正一の父が初恵に接触して、初恵の正体がバレて、初恵は流産したと言って豊かの前から去っていったとのこと。

 

 

~~~~~~~~~~~~四・琴美の章 P173、五・豊の章 P233

 琴美の母の医療費も徳田家に援助してもらっていた。恒夫が亡くなり、自立生活ができなくなった邦枝は老人ホーム・サンフラワー和久田に入居した。

山間の村から、替出町へ移住。娘を設けたが交通事故で失った。

徳田家の亡き娘と琴美は生年月日が同一だったうえ、出産時にみた体の特徴が一致していた。

 

徳田邦枝 サンフラワー和久田に入居。

鶴田  サンフラワー和久田の中年の介護士

琴美の父 飲んだくれで、自称自営業で家にいるのが多かったが肝臓を壊して病死。

琴美の母 名はスガ。働きに出ていた。

 

湯川隆一  住宅設備会社での出張で琴美と出逢った、後に工務店に再就職。娘二人は結婚した。

湯川江美子 義母。昨年転倒して大腿骨を骨折。退院後は再度の骨折を恐れてベッドの上で過ごすように。

湯川貞夫  義父。故人。

片瀬芳文  江美子の最初の夫だが、結婚直後に招集されて戦死の一方が届いて、貞夫と結婚したが、芳文は復員してきて再婚を迫った。

 泉   長女。車で20分程度の距離に住む。長女の娘・沙也加は幼稚園の年中、その弟・凛太郎はアトピー性皮膚炎で定期的に通院。

ソラ   湯川家のペット、茶色のコーギー犬、 

 

金子  江美子の担当の訪問介護ヘルパー

 

由美子 琴美のデパート勤務時代の同僚で、山陰旅行を進めてくれて、旅行中のフェリーで隆一に出会った。

 

原口   競輪場現金管理統括主事をしていた。琴美より20歳年上。

 

琴美は、競輪場従事員として月に数日勤務、のちに臨時職員として正式採用、

 

事務長が変わり、琴美や原口以外にも、公金横領や職員が車券を購入していたことが、ポロポロでてきて、多くの職員が懲戒解雇となったが、着服金を返済した場合は告訴はされず。

 

原口は、琴美の身体を弄び、競輪場の横領が明るみに出ると忽然と姿を消した。

 

~~~~~~~~~~~~六・真実子の章 P194

徳田夫妻と事故で失った娘とは、血液型が会わなかった。

乳幼児の取り違えを疑い。特徴的なホクロの琴美は、徳田家の実子だった。

徳田恒夫は、明確な殺意を持って、原口を殺し、骨にした

それを知るのは。豊の父ただ一人。

 

豊の父は、京香の離婚でも一肌脱ぎ、後援会の寄り合いに入り、それとなく話し、不倫相手が居ると暴露した。寄り合いの場に新聞記者もいて。一気に広がり、離婚成立に。

 

さとうまみこ

うさみまこと

 

名前はアナグラムであった。

 

生体移植を行ったが、死亡したのは母だった。