先日割愛した、35人目M氏の詳細について触れておきたい。
なぜ、審査対象外だったのか。
 
 
昨今社会的にも大きな問題となっているテーマを含むため、避けた方が無難かと思っていた。
しかし、一事例としてご紹介しておく。
 
 
筆者が審査から外した理由、それは、
 
M氏は、過労によるうつ病で休職中の身だったからだ。
 
その事実が明らかになった瞬間、筆者はこう思った。
「どのツラ下げて婚活なんてしてるんだ」
 
 
病を抱えた人間が結婚を望んで何が悪い?
過労うつの原因は職場であって、本人ではないじゃないか。
 
そんな声が聞こえてきそうである。
 
 
しかし、うつ病は完治可能な病のはず。
治療を終え、社会復帰するまで婚活は中断すべきではないか、というのが筆者の考えである。
 
 
「早く気づいたおかげで俺のは軽症なんだ。薬も一応飲んでるけど、ほとんど意味ないね。自分はもう大丈夫。」
とご本人はおっしゃるが、おそらく抗うつ剤で症状が抑えられているにすぎない。
副作用か、顔がパンパンにむくんでいた。
 
恋愛、結婚は精神活動を伴う。
しかも、特定の相手を伴うものである。
精神が健康でない状態で、その取り組みをすることは適当でない。
 
 
 
比較的序盤にその件をうかがったが、その場を立ち去ることもできないため、面接の時間は継続する。
 
先述のとおり、M氏は自身が病を罹患しているという認識が薄い。
そして、元来の性格自体が、独りよがりで上から目線。
 
話せば話すほど不愉快になる。
 
 
M氏「俺、精神年齢高いからさー、同世代の女の子はみんな幼く見えちゃうんだよね。ペアーズで知り合った子も最終的には人生相談みたいになっちゃう。」

 

まず、病も性格も容姿も自覚がない、自分を省みることができないこと自体、かなり幼いと思いますけど。

あなたのおっしゃる精神年齢って何ですか。

 

 

M氏「俺って人の本質的な部分を知りたいと思ってるし、見抜くのも得意じゃん。壁つくられてもどんどん掘り下げちゃうんだよねー。筆者さんは本音で話してくれるから話しやすいわー。

 

得意じゃん、てそんなこと知りませんよ。

お気づきでないかもしれませんが、わたくし鉄壁築いてますよ。まったく本音なんて出してません。

本質を見抜くのはお得意じゃなさそうですね。

 

 

M氏「筆者さんはさぁ、社交的でからみやすいけど、方向性が間違ってるんじゃないかなー。なんか、女友達って感じだもん。もう少し恋愛っぽく距離詰めたほうがいいよー。」

 

いやいや、全力で友達方向にハンドル切ってるんですよ。

下手に気に入られたら困ります。

病人の相手するほど、ひまじゃありませんから。

 

 

M氏「俺、趣味とかこだわりが強いんだよ。言ったら建築とかインテリアとかめっちゃこだわってるよ。こだわりについて議論するのも好きだから、筆者さんには期待してたんだけど、こだわりとかないの?意外と浅い人で残念だなー。」

 

知ってる限りの知識だけで語っちゃう人の方が浅いと思いますけどね。

目の前にいる人、建築が専門だってご存知ですか?

というか、“こだわり”なんて主観的なものを議論することにどんな意義があるんでしょう。

 

 

 

相手は精神を病んでいる方。

刺激してはならないと口から出すことは必死にこらえ、心の中でひたすらツッコミ続ける。

 

しかし、なぜか筆者が見下されていることにイライラが募る。

やがて、―伴侶の必要性―で紹介したように、婚活に話がおよび、筆者の堪忍袋の緒は切れてしまった。

 

 

M氏「筆者さん、大学名公開してるけど、載せない方がもっといいね来ると思うよー。てかさ、えり好みしすぎなんじゃない?もう少し下に広げてみたら?」

 

筆者「これでも広げてる方ですよー。普段は東大京大、お医者さんとばかりお会いしてます笑。」

 

筆者「というか、こんなに自分のこと語れって言われたの初めてで、びっくりしました!わたし浅い人間なんで、聞くの専門なんです。高級外車の話とか、キャリアの話、グルメの話、みなさん話題豊富なんで。今回は貴重な経験でした。ありがとうございます!」

 

 

 

そんな皮肉もM氏には響いていないようだった。

これも薬の副作用だろうか。

どこからどこまで正常な範囲なのかわからない。

 

やはり、いまは治療に専念することをおすすめしたい。


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