前と変わって

 いないので

 そのままゆづるの

 家にエレベーターで

 上がった。
 家の呼び鈴を

 押すと少しして

 ドアが開き、

 中に入るとドアの

 向こうに立つゆづるは
 死人のような顔色で

 松坂は驚いた。
 それに松坂が

 ゆづるを見て

 驚いたのは

 顔色だけではなかった。
 頬に血がついている。

 髪にも服にも…

 腕も血がべっとりだ。
 何をした?

 どこか怪我をしたのか?
 呆然と立っている

 ゆづるの血の付いた

 両腕を松坂は

 思わず持ち上げ、

 その手首に傷がないか
 目で確認した。

 わずかな切り傷が

 見えたが、

 大きな傷ではない。

 血が流れているのは
 手首ではない。

 自殺未遂をしたのかと

 思ったがそうでは

 なかったと松坂は

 ホッとした。
 しかしゆづるは

 生気を失い、

 松坂に腕を持ち上げ

 られても何も抵抗しない。
 松坂の身勝手な

 復縁話に腹を立てている

 ゆづるが無反応なのは

 違和感を感じた。
 

 

 

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