親子3人で

 駐車場に行くと

 高そうな車がある。

 両親は普通に

 その車に乗り
 圭一が尋ねた。
「父さん、前の車は

 どうしたの?」
 父親が無言で

 答えず、母親が

 代わりに答えた。
「壊れて使えなく

 なったのよ。

 これは安い中古よ。」
 中古には見えない。

 圭一は

 違和感を感じた。
 父親が運転する

 車に乗って、

 家に向かう車中で

 母親は釘を刺した。
「圭一、あんた、

 あの女には

 会わないでよ。」
「………。

 仕事探しが先だよ。」
 圭一はうるさい

 母親に邪魔されない

 様にそう言った。
 家に帰って

 また驚いた。

 家が建て替えられて

 いたからだ。
「これ、…どうしたの?!」
 両親は泰三から

 貰った示談金で

 半年前に建て替えた

 と言いずらくて
 親戚から借金をしたと

 嘘をついた。
 綺麗になった家を

 呆けた顔で眺めたが

 それどころではない。
 部屋に荷物を置いて、

 少し時間を見てから

 買い物に行くと

 嘘を言って圭一は
 百合子の働く

 弁当屋に行った。

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マタキテネ