文化服装学院通信教育「服装コース」

修了課題提出作品

地元兵庫県産「播州織」を使用した

ダッフル×トレンチコートです。

裾に仕込んだ紐を引くとボックスから

コクーンシルエットに変化、

ライナーとフードは取外式です。

深めの前打合せは

第1ボタンからの比翼あきで、

覆い布との重ね方を変えると

また違った雰囲気となります。

ジャガード織の矢印模様が

松ボックリのようという人がいました。

和柄にも見える魅力的な形を損なわないよう、

裁断や柄合わせも集中して最後まで丁寧に製作しました。

 

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完成は もう半年以上前になるのですが

修了課題として作ったのは こんなコートです☆

 

とにかく 柄合わせに気合を入れました

でも、いちばん考え込んだのは

前覆い布を付けなかった右前身ごろ

これをどう仕立てたらいいものか悩みました

 

ダッフル、トレンチコートって

覆い布が最大のデザイン要素

だから、それをペラペラにはしたくなくて

ある程度の厚みをもたせました

「重なってるよー」って存在感が欲しいな、ってね

それに、重ねるだけだと

柄布なので紛れちゃったり

ただのデザイン線に見える心配も‥

なので ここは陰影が欲しいなーって

 

しかし、そうなると

左前身ごろは前も覆い布があるからいいとして

右はこの厚みをどう消化したらいいんだ??

って 問題が浮上

半日くらい考えていて‥

 

こーいう類の答えって

だいたいお風呂に入っているときに

「あっ」と思いつくものですね

 

そっかそっか!

ジャケットを作ったときのダーツ裏と同じように

あて布を仕込めばいいのかー、って

 

わかってみれば、しごく単純で

何をそんなに悩んだのだろう‥って思いますが

中に当て布を仕込んで段差を解消させました

 

前から見ても 左右の肩の高さが揃って

無事すっきりです☆

失敗談として、

いちど当て布の分量を入れ過ぎちゃって

いわゆる肉襦袢の効果が出てしまい

ムキムキになったんで、ご注意です
 

肩のところって

華奢さを左右する部位なんですね

けっこう繊細で。

って、そりゃそっかー

ボディービルダーさんって

胸板を鍛えて逆三角形を目指すんですものね

 

服って有り様によって

スタイル良くも補正できるものですが

これからも こんな効果を掴んでって

狙えるようになりたいな

バランス感覚っていうか

 

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取外し式のライナーは

見返しの縫い合わせを控えたところに挟む様式

見返しにボタンホールを空けました

ライナーを外した時のことを考えると

ライナー側にボタンがあるこの仕様の方が

すっきりするので、個人的には好みです

 

‥と言いながら

フード部分は身ごろ側にボタンを付けちゃいましたが

いや、ここはボタンがあっても 邪魔になりませんしね

こっちの方が 着脱しやすいってのもあります

 

 

裏地の色はラベンダーみたいな薄紫色で

ライナーの花柄に合わせてみました☆

 

で、最後にご紹介する小細工は

裾に通したヒモで

 

ストレートな「ボックスシルエットから

コクーンシルエットになる」というのは

この子の働きによるもの

絞ったときに余ったヒモが垂れないように

ループも付けています

‥っていう この仕様はね

市販品で見たのを真似たものです

 

深めの打ち合せを支えるために

覆い布の影に スナップを付けました

 

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‥といった

ひとしきり自己満足を盛り込んで

力を尽くして作ったのですがね

これまで 一度も外に着て出ていないというオチ‥

もったいないねぇ

 

見た目は好みのコートが出来たんですが

もう、これを着るような歳じゃない気もしていたりして

なんとなし このコートって可愛いめですよね

なんかもう、そんな気分じゃないんだよな

 

それに、裏地やライナーを付けたとはいえ

素材が綿なんですよ、コットン

いやー、着るとしたら、春ですね

‥の割に、ファーが付いてるんですがね

 

ともかく、着ることを考えたら

全てがアンバランスですわね

 

作品です、これは。

ただただ「作品」を作っちゃったな

 

今回のブログが

通信教育「服装コース」のご報告としては

最後の投稿になりそうなのですが

なんとも締まり悪いことになりました

 

心底 気に入って着られるものを!って

いつも目指して作っているハズなのですが

実際はそうならなくて

ホームランを打つのは なかなか難しいもんです

 

次はぜったい!次こそ!

今年はホームランな作品がバンバンできますよう☆

 

今後の目標はこれですね

作るだけで満足しない

「着てこそ洋裁」だー

 

ミシンビギナーのためのお裁縫教室 enne-sewing(HP)