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ずっと好きだった女の子とデートで花火大会に行くことになり、
とても楽しみでいろいろなことを考えてました。
もし良い感じになったら告白しようとか、
手を繋げたらいいなとか考えているだけで幸せに浸っていました。
そして、当日になって服装に少し悩みましたが、
その好きな子はボーイッシュな子で普段からジーパンばっかりで
スカートなんかは絶対履いてこない子だったので、
自分もサンダルを履いていつもとあまり変わらないような格好で
待ち合わせ場所に向かいました。
少し時間よりも早く着いて
浮き足立って彼女を待っていたのですが、
ふと声をかけられて振り返ると、
かわいい浴衣姿をした彼女が立っていました。
今までの彼女の印象とはまったく違う格好に
思わず声が出そうになりました。
「似合う?」
と聞いてくる彼女にも気の利いた返しもできずに、
どんな話をしようとか、
それまでにずっと考えていたことは全て吹っ飛んでいってしまい、
彼女と目を合わせることもできませんでした。
ただ照れくささや恥ずかしさだけがこみ上げてきて、
花火が上がった時にも手をつないだりなんてことは全くできずに、
ただ上がっている花火を見て
『綺麗だね』
なんてことしか言えませんでした。
少し気まずい空気というか居心地が悪いような雰囲気になっていき、
そろそろ帰らないといけない時間になりました。
その時になって初めてこのままで良いのかという気持ちになりました。
この機会を逃すともう無理かもしれないという考えがよぎり、
今ここで告白することを決めました。
考えていたセリフとは全く違いチグハグな告白になりましたが、
彼女はちゃんと聞いて返事をしてくれました。
そして今年もその花火大会に行くことになっています。
彼女はその時と同じ浴衣を着て、その時のことをからかってきます。
彼女に当時の心境を全て聞かれ、ギャップ萌えに弱いとからかわれます。
もっと紳士な対応ができればよかったのにな、
と少し後悔していますが、
彼女も浴衣を着ていたのはアピールのためだったらしく
初めてだったそうです。
あの時恥ずかしがっている自分がいなければ
彼女の浴衣姿を二度と見れなかったのかなと思うと、
ある意味よかったのかもと複雑な思い出になっています。