(2021/12/06 記)

  

直近記事の続きです。

 

2年前、滋賀の旅で飲食代を渋った(具体的には近江牛にトライしなかった)ことが

今も唯一心残りだったので、今回は極力、地元の味わいを愉しむことにしました。

まあ、所詮、贅沢なことは出来ませんので、ささやかな差ではあるのでしたが。

 

 

旅の初日、ブランチに道の駅あわじ内でいただいた淡路牛炙り丼です。

淡路SAには大した味わいは無いのを長年知っていたので、高速道を降りてから

昼食をとることに決めていました。夜は3年とらふぐ三昧を愉しみにしていましたので、

ここは淡路牛でしょう、ってことで、これに決めました。

1600円。淡路島特産の玉葱の味わいもあり、お値打ち品です。実に満足しました。

 

  

宿泊は、昔からあるTVCMで関西では有名な「ホテルニューアワジ」系列の

「海のホテル 島花」でした。船で系列館の大浴場への案内もあり、存分に堪能

しました。ちなみに兵庫県施策のワクチン2回完了キャンペーンを利用しました。

1人あたり7000円ほどのお得感がありました。その内、2000円分は宿から飲食や

土産物に使える割引クーポンの形でいただき、夕食時の酒代に充てました。

 

 

  

  

  

 

愉しみにしていた3年とらふぐ三昧です。

 

 

  

アワジビールのヴァイツェンが驚くほどの出来でした。例えば真のビール通にも

十傑の中の1銘柄としてよく知られる、箕面ビールのヴァイツェンと比べても

格段に上です。

1998年からあるブリュワリーのようです。1998年は明治開国以来不当に続いた

メジャービールメーカ寡占からの規制緩和直後であり、国内では最老舗に近い

でしょう。流石に最近のブームになってからの新興メーカではない凄さを

感じました。(一方、アルトはやや残念。こんな薄味のアルトは初めてでした。)

  

   

なのに国内のメジャーメーカは「更においしくなりました」「何これ、今までと全然違う」

「今、ビールがどんどんおいしくなってます」「季節の料理に併せて味を変えてます」

などと、折角の今までの高評価顧客の味覚を全否定して切り捨てるかのように、

もう既に自分達でも正解が分からない袋小路状態に陥り、当面の売上予算達成の

ためには顧客を1度でも騙せば良い、というかのような極めて卑近なスタンスをCMで

隠しません。(「騙されたと思って飲んでみて。」というCMコピーもありました。

で、多くの人は変わらない味に騙されたと思い、ますますビール離れが進むのでした。)

 

季節ごとや半年ごとに味がどんどん変わり、過去の味を全否定する酒が他にあり

ますか?日本酒でもワインでもウイスキーでも。ビールをまともな製品と考えず、

「ビールは味じゃない。喉越しだ。」と嘯く味音痴ジジイどもの「とりまビール」を

率先肯定するのがメジャーメーカ自身である、としか言いようがありません。

 

製法が1通りしかない、との明治時代の導入時点での誤解に彼らは本当に気づいて

いないのか。そんな筈はなく、ならば何故世界のビールの歴史や醸造法と味わいの

あまりに膨大な広さを全く「存在しない」かのように振る舞うのか....。

日本のメジャーメーカのビールだけでビール論を語ろうとする滑稽は、大昔の

「赤玉ポートワイン」で世界のワインを語る以上に陳腐なものだと、メジャーメーカや

「とりまビール」を是とする国内の「ビール通」には、永遠に理解されないので

しょうか。

(日本のメジャーメーカのビールは世界のビールマップの中で、ボヘミアン・ピルスナー

かジャーマン・ピルスナーのどちら【どちらも極めて枝葉末端の分類です】に入れる

べきか長年の棚上げの上で、どちらともつかないが一応製法上、ヨーロピアン・ペール

・ラガーに入れとくか、という雑な扱いです。国内味音痴の自称ビール通の間で絶賛の

アサヒスーパードライなど、どこにも長年分類不能だったのが、米国ミルウォーキーズ

ベストドライが出来たのを機に、まとめてドライビールという新分類を作って放り

込まれたような顛末であり、到底まともなものとは評価されていません。)

  

      

はあはあ。えーもとい....。毎々脱線恐縮です(^^;)。

 

   

  

 

  

   

アワジビール以上に驚かされたのは、この日本酒(焼酎)です。

最初は美味で、かつて良く飲んだ八海山が置いてある、と思ってオーダーしたの

でした。(ブームのせいで高価なものとなり、果てには品切れが多くなり味わう機会

が減りました。)

 

  

ストレートで頂く選択肢はないようで、水割りかハイボールかロックか、と言われる

ので、次善のロックとしました。

というのは、酒粕から作った焼酎だとの説明があって、薄めてしまえば味わいも

分からないと考えたからです。

 

ところが、このとんでもないほどの濃厚さったら....。

ねっとりとした粘度まで感じられ、八海山本体より味わい深いほどでした。

どういうことなんでしょう?酒粕を経由することで、旨味が却って凝縮される

とか、あるのでしょうか。困惑する程の絶品でした。

 

銘柄を記録しませんと、別途購入の機会を得ることが出来ませんので、

慌てて、再度ドリンクメニューを見せて貰って、画像に残しました。

「追加注文するのでないけど、後学のためにドリンクメニューをもう一度見せて

くれますか?」とお願いしたら、スタッフさんが快活に「お写真撮られてもいいですよ」

「道の駅などにあるかも知れませんので、ぜひご覧になってください」と応じてください

ました。(スタッフさんの好印象が爆上がりでした。)

 

 

どうやらこれのようです。お高いですが、手が出ないほどの高価ではないですね。

「よろしくせんまんあるべし」と読むようです。安価な25度のものもあるようです。

 

  

19時半スタートの夕食でしたが、心地よい時間はあっという間に過ぎて、終わったのは

22時前でした。

その時間帯に飲んだ最後のコーヒーがいけませんでした。少し飲んだだけでしたが

全く寝付けず、翌日夕方から夜間の運転にも影響して、ちょっと危うかったです。

(運転中にこそ、いただきたかったです。)

 

   

食事の前に船で近辺の提携宿の大浴場にも行きました。

定期運航ではなく、フロントにお願いすればオンデマンドで、乗客1人でも出帆して

頂けました。

 

   

淡路棚田の湯、というのがなかなかのもので、段差があるので、最上段に浸かると

下段2段に入っておられる人々は、頭頂が見えるか見えないか程度です。

しかも視線はみんな外の海を眺める構図となり、不要に目があうこともありません。

 

いつも大浴場で辟易する、「大浴槽の中央に陣取り、出入口に睨みをきかせ

『おっ。俺のシマに入るつもりか?」』との不可解な威嚇とか、こちらが出ようと

すると『もう出るのか。この根性なしが。』とニヤつく(CMでもそんなのありました)

意味不明な優越の表情とかの、浴場内トイレから出ても掛け湯なしの糞ジジイども」

(これ、旅行記事では毎回書いてますね^^;)の存在を意識しなくて済みました。

それで従来、大浴場での入浴には積極的でなかった私も、予想外に癒されました。

 

  

    

 

しかしそれ以上に絶品は、部屋の露天風呂でした。

ホテルの最上階にある、それほど広くないスパフロアと同じ高さにあり、このホテル

では2部屋しかない設備です。しかもよくある団地式に露天が横並びになっている

のでなく、建物の両端1部屋ずつにしか割り当てがない贅沢なものでした。

(身体を洗う内風呂は室内にあり、手狭なスパフロアより豪勢な感じでした。)

 

   

格子から首を出せば、周囲は絶景でした。

 

  

小さな湾の対岸にホテルニューアワジ本館や系列館がありました。

 

   

   

 

なかなか寝付けずが逆に幸いしての深夜の月見風呂も良かったですが、朝焼けが

最上の気分でした。

 

 

 

 

  

  

  

本当に心底堪能しました。過去を通して最上級に満足した宿でした。

この絶景露天は、ぜひ今度はお忍びで再訪したいものです。

....いえ...もとい(またかよ^^;)。愛想の良かったスタッフさんたちに「あら?あの人....。」

と白い眼で見られるのも如何なものよね、ということで、ただ単にリピートの機会が

あれば、と願うばかりです(^^)。

 

露天風呂のあるバルコニーから、近くの海岸に小さな岩が見えました。

誰も見向きもしないあの岩2つが、実は真のおのごろ島だったら面白いだろうなあ..

.とか、ちらっとふざけたことを思いました(^^)。

  

 

2日目のおのころ島神社参拝の後、イングランドの丘が近辺にあったので、

昼食目的もあり、さすがに単独行ではないので、神妙な神話名勝巡りばかりでは、

辛気臭かろうと思い、立ち寄りました。

 

  

  

  

   

寝てばかりのコアラにしては、珍しいサービスショットになりました。

競合する他の動物が毒性のために食さないユーカリだけを食べることで、種を維持

して来たコアラは、そのユーカリの毒性のために半分頭が麻痺状態にあり、それで

睡眠が多くなり、生活維持の消費エネルギーを最小化する=ユーカリだけで済ませる

ことができる、というバランスで生き延びて来たそうですね。

 

  

こちらは完全熟睡モードです。左手で枝をつかみ、頭は幹に突っ伏して器用ですね。

 

  

  

三流SFの「宇宙植物」っぽいです、

 

    

   

 

 

夜の晴れ間に見えた星の多さでも感じたことですが、本州から少し離れるだけで、

関西圏の光芒から遠ざかることが出来るのだ、と実感しました。

それは昼間の空の色や空気感にも感じられ、国内の比較的近辺地に居ることを

忘れさせました。場内の人口密度が低いこともそう感じさせたのでしょう。

(どこぞの蕎麦屋のように、どうぞ無くなってしまわないよう、お願いしたいです。)

 

コスモスがまだ残っていました。

 

   

NEX-6 の電子収差補正機能を使っても、E18-55mm の描写力はこんなものでしょうか。

 

  

  

 

 

 

マルゲリータ 1300円が予想外のおいしさでした。25cm径はありました。

米粉がクラストに含まれていたのか、どこか焼き餅の香りもありました。

この特上の味わいが日常でリピート出来たなら....。実に絶品でした。

(関東幽閉時代にリピートした、専門店の味さえ足元にも及びません。)

 

  

 

この後、伊弉諾神宮に向かったのですが、宿の味わいと露天風呂、ここでの予想外の

リラックスもあって、きっと伊弉諾神宮では私のアンテナ感度が鈍ってしまった、という

のは否めません。

 

伊弉諾神宮参拝を終えて、淡路島を後にしました。

良い旅を象徴するように、素晴らしい日没も見ることが出来ました。

 

  

   

 

毎回の旅道中では、何かしらのストレス源が現れて、折角の癒しが残念でマイナス

されることが多かったものの、今回は同時に右脳の感覚的な愉悦と左脳の論理思考

上の充足があり、完全なリフレッシュと癒しを得ました。

 

充電完了、というより完全放電し切った、と言う感じでしょうか。

先日記事に記した、誤用ではない、本来の意味での「ほっこりした」が、今の境地

だと感じます。

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。