「力み」を抜かなければならない、そもそもの骨格位置を見直す | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

9月の構造動作トレーニング・東京教室は、Takahiroラボ、機能回復のための所有感覚メソッド、股割り入門教室、骨盤おこしトレーニングの4講座をおこなった。台風14号が心配されたが、急速に通り過ぎてくれて参加者の足に影響がなくよかった。
 
 
ラボでは、今の私の関心ごとや、参加者の質問を素材にトレーニングを提案する。今回は、日常生活の活動の質を高めるための方法と実践を参加者の意見を交え、自習した。
 
 
私たちが活動をするときに、その際の姿勢が動作をおこないやすくする。重心は骨格位置により決定され、円滑な重心移動を可能にする。円滑な重心移動が可能な骨格位置を身に付けていくのには、感覚と運動の循環を見据えて、トレーニングを進めていくことが大切だ。
 
 
円滑な重心移動を求める際に、「力み」が動作の妨げになる。一般には、この「力み」を軽減するために、抜く、脱力する、リラックスなどの工夫、テクニックにより試行錯誤している場合が多い。構造動作トレーニングでは、「力み」を軽減しなければならない骨格位置そのものを見直す。
 
 
ダンスの世界チャンピオンと一般のダンサーの違いについて、中井理惠先生から、世界チャンピオンの足元は力みがない、一般ダンサーの足元は力みがある、という話をされた。一般ダンサーにとって、世界チャンピオンの優雅でダイナミックな動作はお手本だ。足元の力みをいかに軽減すべきなのか?力みを抜くことばかりが先行しがちだが、力みを軽減しなければならない、そもそもの骨格位置に注目したい。つまり、世界チャンピオンと一般ダンサーの骨格位置の違いについてである。
 
 
骨を使えるようにすることが重要だ。優れた動作をおこなえる人というのは、身体の機能状態が良好、そうでない人は身体の機能状態が不十分である。身体の機能状態が不十分というのは、怪我の後遺症や姿勢不良など様々な原因があり個人差が大きい。当然、力みを軽減しなければならない骨格位置がベースになって、身体の機能状態が不十分ということがある。これらの原因を解決しないで、動作の妨げになっている「力み」を軽減したとしても、問題の解決に至らない。骨格を見直すことが大切だ。ここで、骨格を見直すことができる人と、そうでない人がある。深部感覚を理解できるか、できないか?が、分かれ道だ。
 
 
日常生活の活動の質を高めるためには、円滑に重心移動を行える骨格位置を身に付けること。深部感覚を理解するのには、骨指標を明確にし、丁寧な動作を心がけることが大切だ。骨格位置を身に付けるのに、ズレた骨の位置を戻して、はめる、ような機械的な考えの人は、深部感覚を理解できていない。
 
 
「力み」を抜かなければならない、そもそもの骨格位置を見直すのには、股割り動作が優れている。一般には、開脚前屈をおこなう際に、力みを抜いておこなうが、骨格位置が正しければ、力みなく股関節の運動がおこなわれるはずである。