ランナーの膝の痛み、歩行動作改善 | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

天気予報は曇りのち晴れ。昼から多度峡へでかけたが、晴れ間はあるものの時雨れて寒い。週末、ウォーキング講座があるので仕事の合間に講座内容の確認を兼ねて足慣らしをしている。
 
寒く、時雨れている中、ランナーが山から駆け下りてくる。近年、ランニングを習慣化している人は多い。健康維持、促進のためにランニングをしているのに、膝を痛める人は少なくない。膝の痛みは、膝の外側、内側、お皿(膝蓋骨)の周囲など、個人差がある。
 
また、健康維持、促進のためにウォーキングやトレッキングをしているのに、膝を痛めてしまう人も少なくない。これでは、本末転倒だ。走り方、歩き方には個人差がある。動作の中で起こっている不具合が膝に負担をかけ、痛みへと発展する。そのため、膝の治療は、施術をおこなうだけでなく、運動療法で動きの改善、また、歩行動作も改善しなければならない。
 
私は、歩行動作は自然な歩行がよいと考えている。その方法は、ロウギアランニングをおこなった後に味わうことができる軽い足運びが、現状でその人ができる最善の自然歩行ではないだろうか。2000年のはじめごろ、ナンバ走り、ナンバ歩きが注目を集めていた。当時、私は歩行動作を追及していたので、ずいぶん試したものだった。その時のご縁で、ナンバ研究家でもある動作術の中島章夫先生と知り合い、今に至っている。ナンバの動作には、膝抜きという、瞬間に膝を曲げる方法を繰り返して歩を進める技術がある。あるとき、きれいな動作で動いている人をみて、これは技術ではないと気づいた。そして、それを自然にできている身体の状態の方に興味が移り、自然な歩行動作を追及するようになった。
 
きれいな動作ができない場合は、構造動作トレーニングの基本事項が正しくできていない。例えば、下肢のアライメントが崩れていて、各関節の運動方向がズレていたら、上手く地面反力を受け取ることができない。動作の改善は、身体を見直すことからはじめ、自然な動きをめざす。歩行動作の改善は、身体を見直すことからはじめ、ロウギアランニングをおこなう。ロウギアランニングができない場合は、フォール接地をおこなう。
 
膝に痛みがある場合は、下肢のアライメントが崩れ、膝関節の運動方向がズレていることが多い。動作の癖によっては、膝裏の膝窩筋が短縮したまま、きれいに膝が伸びない。このように短縮した筋肉を力の塊とよんでいるが、いいかえると、無意識の力みといえる。膝窩筋は、一般的に馴染みのない筋肉だが、動作改善をおこなう上で重要な筋肉だ。作用は、日本人体解剖学(金子丑之助著)によると、膝関節を屈し、下腿を内方に回転する。これは、技術的な解決方法はないので、適切な処置が必要だ。
 
▲日本人体解剖学 金子丑之助著
 
さて、12月は山へあまり行けなかったので40㎞しか、歩くことができなかったが、1月のデーターを確認すると100㎞以上歩くことができた。1歩1歩の成果は、確実に身になっている。今年も引き続き、自然動作を追及していきたい。