take power from government. それが保守ちゃうの? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

We are going to take power from government and hand it to people

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ とキャメロン首相は言った。

Small government,Big societyに続く僕の中でヒットした言葉なので冒頭に紹介したいい。


翻って今の日本の状況は・・・

官僚政治の打破を!政治主導を!

という掛け声の下に政権を勝ち取った民主党の寿命は思いのほか短かったようだ。

国民の間にはやっぱこんなもんかという思いと政治不信が広まっているように思える。

個人的にはあのドタバタコントがもう見れないかと思うとちょっと寂しい気持ちも強いけど。笑


「自分たちが選択した」政治家は官僚よりも優秀でよりいい政治を行ってくれるだろうとの期待は打ち破られた。

しかし、相変わらず「日本の経済停滞は政治のせいだ」と「格差に対応せよ」などといって政治に多くを期待する声は大きい。


そういった国民の姿はいつか「白馬に乗った王子様」が迎えに来てくれるという婚活中のしかし現実を見ていない夢見がちの女子のように思える。そんな理想どおりの男性は現れないよと多くの男性が女性に教えてあげたいと思っているだろう。


自立・自己責任・地域や家族の助け合い・統制経済ではなく市場経済を通した社会と経済の発展により重きを置くはずの「保守」を自称する人達も同様の期待から抜け切れていないように思える。


誇りが大切だ。売国するな。利権は許さない。人気取りに走るな。という言葉を必死に叫ぶ。その言葉のひとつひとつは間違いじゃないだろう。


しかし、政治家だって並の人間だ。生活があるから選挙に勝たなければならないし、名誉欲もある。理想は高くても政治家として力を持つ過程では多くの支援者に対するしがらみも生じるだろう。政治にはどうしてもお金がかかる。もちろん、人間だから間違いもあれば失敗もある。


それが現実世界なのに、なぜ政治家が官僚より優秀でわれわれの生活をよりよい方向に導くことができると信じることができるのだろうか?われわれの選んだ政治家はそれほどに優秀なのだろうか?(官僚が政治家より優れているといっているわけでもない)


仮に「白馬に乗った王子様」が現れたところで民主政治の日本ではせいぜい10年やそこらしか首相にはなれない。しかも曲がりなりにも大国だからいろんな利権関係が絡みやりたいことのどの程度ができるか。そして退任後にそのすばらしい政治がどの程度継承されるだろうか。


だから、僕は誇りだのなんだの叫んでいる自称「保守」の人々も婚活中の女子にしか見えない。(誇りは大事だと思うけど)。人間の理性をそんなに信じるならばそれはサヨクと何も代わらないだろう。

一方で「世界のフラット化」、「世界的な格差の拡大」、「企業活動のグローバル化」、「新興国の驚異的な速度での発展」、「商品価格の高騰による資源国への所得移転」など政治では解決不可能な事柄はますます増えているのだ。仮に国内の問題を解決したところで世界の流れは変えられないという現実も認識しておかないといけない。


しかし冷静に考えれば

現在の日本の繁栄は政府から与えられたものなんだろうか?日本企業の高い技術力は?明治以降の発展は?地域や家族の絆は?われわれの文化や伝統は?これらは全部政府から与えられたものなのか?


答えはNoだろう。これらはわれわれが長い時間をかけて各人の努力や競争、自由な選択のもとに築いてきたものに他ならない。そして、それは固定されてきたものでもなく時代に応じて柔軟に変化してきたし、これからもしていくだろう。


だとしたら、われわれ国民がしっかりしていれば政府に何かを期待する必要があるのだろうか?同時に変化を恐れる必要もないだろう。限られた人間の手で人為的に社会・経済を統制し理想とする社会を作ろうとすることが成功に結びつかないことをわれわれは壮大な社会実験を通して学んだはずだ。

もちろん、国益を重視した外交・過剰な規制の緩和・持続不可能にしか見えない社会保障制度の改革・しっかりとした教育など政治が行わなければいけないことは多い。


しかし、基本的にはわれわれ一人一人がどう生きていくか。どう自分たちの生活を充実させるかこそが大切であり、それさえあれば政府に多くを求める必要はないだろう。よい社会は必ず実現できる。そして政府にできることは限られる。白馬の王子様は現れないし政府をスケープゴートにするのはやめたほうがよい。


だからキャメロン首相の

We are going to take power from government and hand it to people

という言葉を聞いて、それこそが実は今の日本には一番必要なんじゃないだろうか?と僕は思う。


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