『卯月の雪のレター・レター』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『卯月の雪のレター・レター』
相沢 沙呼、創元推理文庫、2016年




今から一ヶ月前に、6年前に亡くなった祖母から祖父に届いたという手紙。内容は別れを告げているようで、相当前に書かれたものではあるらしい。孫である高校生の小袖らは、この不思議な手紙の謎を解き明かそうとするが。(表題作)


両親を亡くしたあと、就職して高校生になる妹を引き取った「わたし」だったが、最近になって妹が反抗期のような態度をとるようになる。叔父から金を借りていたり、わざわざコインランドリーで洗濯もしているらしいが。妹の真意とは。(『子生意気リゲット』)


蔵に入った泥棒の正体を足跡から辿る推理。教育実習先で遭遇した嘘つきと呼ばれる少女。

少女たちの繊細な心の動きを描き出す青春ミステリ5編を収録。



   


青春ミステリ短編集。
泥棒騒ぎや故人からの手紙といった、ライトなミステリーで、それらに関わる少女たちの心の動きなどが情緒豊かに描かれています。

突然反抗的な言動をするようになった妹の真意。これは迂闊にもうるっときちゃったなぁ。
自分を受け入れてほしいという気持ち。相手への罪悪感からくる言動。時代における男女の心の機微。これらが繊細で、殺人事件とか派手なやつじょないからこそ、際立ちますねー。