『はじまりの島』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


『はじまりの島』

柳 広司、創元推理文庫、2006年



「もしかするとわたしたちはすでに世界を変えてしまったのかもしれないのです…」


1835年9月、南米大陸沿岸の測量と経度測定の任務のため航海していた英国海軍船ビーグル号は本国への帰途、ガラパゴス諸島に立ち寄った。

その島に降り立ったのは、博物学者チャールズ・ダーウィンや記録画家のアール、艦長のフィツロイや宣教師、料理人ら11名。

しかし、翌朝に宣教師の絞殺死体が見つかった。その後も次々と殺人は行われるが上陸したメンバーには全員にアリバイがあった。
閉ざされた〝魔の島〟で起こる連続殺人、混沌が支配する中、若き日のダーウィンが紡ぎ出した事件の全容、そしてその異様なる動機とは。


   


『種の起源』でおなじみチャールズ・ダーウィン(1802~82)がガラパゴス諸島を訪れたときに巻き込まれた連続殺人を描いた作品。
柳氏の得意技、歴史上の人物を探偵役に据えたミステリーです。

当然、その人物の生い立ちから何からも盛り込んでいるので、ちょっとした伝記を読んでいる気分になります。

遠隔殺人のトリックが光るミステリーです。ほかにも進化とは、悪とは、そんなことも考えさせられる作品でした。