『オイディプス症候群〈上・下〉』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


『オイディプス症候群〈上・下〉』

笠井 潔、光文社文庫、2008年



「そうさ、僕はきみが見ている夢にすぎない…」


中央アフリカで新たに発見された奇病・オイディプス症候群シンドローム
その病に侵されたウイルス学者の友人であるナディア・モガールは、彼の代わりにある資料を師のマドック博士に届けるため、矢吹 駆と共にアテネに向かった。

博士を追いかけクレタ島南岸の孤島・牛首島タウロクラニアのダイダロス館へ辿り着いた2人と謎の滞在客らを巻き込み連続殺人が勃発する。
島からの脱出手段と連絡手段を奪われた滞在客たちが次々と殺害され、その死体には装飾が施されていく。

やがて、頼みの駆までもが姿を消してしまう。この事件の背後には宿敵・イリイチの影が見え隠れしていた。残されたナディアは生き残りを賭けた推理を始めるが。


   




矢吹 駆、第5の事件。
相変わらず矢吹 駆は何を考えてるのか分からないし、それでいていつでも先を見通しています。

上下巻合わせて1000ページ超えの大作で、さらに難しい哲学的な内容もあるので読破するには骨が折れますし、内容をすべて把握するのも大変。

クローズドサークルでの連続殺人、死体装飾、謎の滞在客たち、新型ウイルス、ニコライ・イリイチ、さらにはギリシャ神話もモチーフになっていて、推理小説としては特盛りな作品になってますね。