会津若松旅日記 ~女二人湯けむり城下町紀行~ その1 | 縁茶亭茶話

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【8月26日(金)】

0.女の友情

「ちまこさんご懐妊」――そんな報告がもたらされたのは、5月のことだ。

 今回の旅行は、そこから始まる。



 サークルの同期仲間と結婚したちまこさんは、旦那の仕事の関係で長崎に住んでいる。

 しかし、出産のために埼玉の実家に帰ってくることになったので、せっかくだからみんなで会おうということになった。

 だが、やはりそれぞれの仕事が忙しく、実行部隊となったのは私とすせりんの二人だけ。

 そして、せっかくだからそのまま東北地方のどこかに行こうということになり、選んだのが会津若松だったのである。



 ところで、やはり「おめでた」と聞いたからにはお祝いをしたいものだ。

 その気持ちは、とてもよくわかる。

 わかるのだけど。


「りんちゃん、何がいいと思う?

 私子ども産んだことがないから、何をあげたらいいかわかんない!」


 いや私も産んだことないし。



 一応すせりんの名誉のために説明しておくと、私なら出産経験のある姉がいるから、妊婦に必要なものがわかると思った――ということらしい。



 しかし、「まだ産まれてないのに“出産”祝いってどうなの?」ということになり、結局今回はちまこさんへの激励プレゼントとなった。

 私とりーたんが仕事だったため、プレゼントは☆ちゃんとすせりんが25日に購入。

 そしてその夜、私とりーたんが合流し、久々の再会を喜びつつ、みんなでカードにお祝いメッセージを書いた。


 が。


「そういえばさ」


 とあることに気づき、私は確認する。


「誰も旦那のことには触れてないよね?」

「……………………」


 検討の結果、「P.S.(旦那の名前)にもよろしく!」という一文が、カード下の方にとってつけたように加えられた。

 ちなみに、この仲間内で学科がちがうのはちまこさんだけで、私・すせりん・☆ちゃん・りーたんと同じ学科なのは旦那の方である。

 学科仲間かつサークル仲間でもある旦那も、当然祝われてもおかしくないはずなのだが――優先されるのは、やはり女の友情なのだった。

 ごめん、旦那。




1.類友

 名古屋から上京してきたすせりんは、そのまま私の家に1泊した。

 翌日ちまこさんが帰ってきている熊谷へ、そしてそのまま会津若松へと向かう。


 外房線、総武快速、総武線、山手線、そして高崎線を乗り継いで、熊谷に着いたのは11時半過ぎだった。

 改札口には、ちまこさんが待っていてくれた。

 結婚式以来2年ぶりに会うちまこさんは、まったく変わっていない。

 ただ、8ヶ月となったお腹は当然大きく、明らかに妊婦さんだとわかる。

 もっとも、意外にもスタスタと歩くので、こちらの方が少し焦ってしまった。


 駅近くの店に移動した後は、とにかくしゃべった。

 何しろ2年ぶりの再会なので、話のネタはいくらでもある。

 旦那も元気にやっているそうで、妊婦さんの大変さを実感するための装具をつけている写真を見せてもらった。

 胸とお腹が重くなっているこの装具は、女の人が感じる重さを実感できるように(女性には重くても、男性には軽く感じることが多いため)、実際の重さよりも重くなっているという。

 妙に似合っているところがおもしろくて、同時に、まったく変わったように見えない彼もまた父親になる準備をしているのだなと思うと、何だか微笑ましかった。

 二人には新しい家族と一緒に幸せになってほしいと、心の底から思う。


 もちろん、プレゼントはちゃんと渡した。

 すせりんと☆ちゃんが選んだプレゼントは、一口サイズのゼリーやプリン(マンゴープリンが絶品だったらしい)のスイーツセット、そしてタオルとタオル生地のヘアバンドだった。

 タオルにしたのは、使い勝手がいいから――ではなく、宣伝文句に心惹かれたからだという。

 曰く、


・ミルク(色)…牛乳を飲んだら白いヒゲが生えた。キーワード:無垢

・エイリアングリーン…たまには遠いところから見下ろしてみませんか。キーワード:真実


 だったらしい。(←うろ覚え)

 色も、他にもあったにもかかわらず、一番衝撃的だった「エイリアングリーン」を選択せずにはいられなかったそうだ。

 もちろん、私やりーたん、そしてちまこさんに大ウケだったのは言うまでもない。


 そして、あっという間に時間が過ぎ、ちまこさんと別れた後。


 郡山に向かう新幹線の中で、ちまこさんからのメールを受信した。

 仲間内に一斉送信されたそれには、お礼の言葉と、一枚の写真が添付されていた。


 題して、「ひげミルクとエイリアンに包まれてゼリーを狙うアザラシ(鴨シー出身)」。


縁茶亭茶話-NEC_0238.jpg


 ちまこさん……ナイス。




2.情報錯綜

 話は前後するが、ちまこさんと話している間に、いつの間にか外は土砂降りの雨となっていた。

 朝の天気予報で覚悟はしていたが、気になるのはやはり電車だ。

 実は朝のニュースで、磐越西線が一部運転見合わせという情報が出ていた。

 それ以上の情報がなかったため、私たちが乗る頃までには復旧してほしいという期待を抱いて家を出たのだが。


 熊谷駅のみどりの窓口で確認すると、やはり一部運転見合わせということだった。


 とりあえず、郡山までの乗車券と大宮~郡山間の特急券(新幹線)を購入する。

 郡山まで行けば、会津若松へは高速バスでも行けるからだ。

 幸い、バスの本数はそこそこあり、通行止めの情報もない。

 到着が遅くなるならホテルに電話をしなければならないが、現地にたどり着けないということにはならずに済むだろう。

 それでも、郡山に着くまでは、やはり少し心配だった。


 そして、郡山到着。

 一か八かで在来線への乗換口へと向かい、駅員さんに状況を尋ねる――までもなく、電光掲示板には運転見合わせという表示はなく、磐越西線は通常運転をしていた。

 ほっとして追加の料金を払い、私とすせりんは2両しかない電車に乗りこんだのだった。


 まっ暗で外の景色が見えないことにがっかりしつつ、電車に揺られること1時間強。

 私たちは、無事に会津若松に到着した。

 改札口近くでは、夏仕様となった名物赤べこが出迎えてくれた。


縁茶亭茶話-110826_193939.jpg


 どうでもいいが、赤べこを見ると、つい三浦しをんさんのブログを思い出す。

 ひどい肩こりが治った時に、「(それまでは痛くて首を振れなかったが)もう赤べこにだって負けん!」という記事があったからだ。


 そして、さらにどうでもいいことだが、赤べこが首を振る様子を見るとつい「ヘドバンしてる」と言いそうになるのは私だけだろうか。



3.食べ合わせ、飲み合わせ

 1泊目は、駅前のビジネスホテルを予約していた。

 初日はちまこさんと会うのがメインで、観光もせずに夜遅く到着することになりそうだったから、とにかく「駅に一番近くて安ければそれでよし。」と思ったのだ。


 ちなみに、今回の宿を予約したのは私だったのだが――せめて友人との旅行の時くらい、ちゃんと口コミ情報はチェックしよう、ということを学んだ。

 正直、百歩譲ってお風呂がものすごく狭いのは我慢できるとしても、掃除が行き届いていないのはいただけない。

 なお、この日はシングルを2部屋とったので、寝る時はすせりんと別々だった。



 それはさておき、チェックインして荷物を部屋に置くと、私とすせりんは近くの居酒屋で夕飯をとることにした。

 何軒かあったが、「会津若松に来ておきながらここ、っていうのもおもしろいよね。」という理由で、某酪農王国の異名を取る都道府県名を冠したお店を選択。

 もちろん、さすがに東北の観光地なので地元の料理もあり、そこそこに美味しかった。


 ただ一つの例外が、牛乳ハイだ。

 そもそもあまり見かけないが、少なくともここのお店のものはものすごくお酒の味が強く、……はっきり言おう、全部は飲めない。

 すせりん曰く、「りんちゃんが“まずい”って言うくらいだから、よっぽど美味しくないんだね」な味である。

 それでも根性で飲もうとしたのだが、「美味しくない酒は悪酔いするよ」とすせりんに取り上げられてしまった。

 実際、ジョッキ半分しか飲まなかったにも関わらず、顔は早々に真っ赤になったし、お店を出てからもしばらくは酔いが抜けなかったので、すせりんには「よっぽどまずかったんだね」と言われ続けることとなった。


 しかし、一見心配しているようなすせりんだが、そこ至るまでには「りん=ものすごく酒を飲む→なぜにジョッキ半分で飲めなくなる!?」という思考過程がある。

 その点については、「私は酒に弱いんだ」と主張しているのだが、悲しいことにその説は未だに採用されていない。(続く)

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