今年一番の暑さだったという東京からの帰り、地下鉄のホームで路線図を見ながら思案投げ首の外人さんに話しかけられた。
外国語なんか、いっこも話せないのに。
東京、全然知らないのに。
幸いなことに、その人が行きたいのは私が降りる駅のひとつ手前だったので、同じ電車に乗って
「東京はすごく暑い」とか「路線が多すぎて分からん」なんて話(多分)に、赤ベコの五倍くらいの勢いで頷いたりした。
英語を話していたけれど、時々違う響きの単語が出てくるので、どこから来たかと訊いてみたら「トラキア」だって。
分からない、と言うと色んな国名が出てきた。
ブルガリア、グリーク、タルキー。
それらの国に囲まれてるお国なんだろうと勝手に合点した。
帰宅してから調べてみたら、トラキアという国はない。
複雑な歴史を経て今に至る”歴史的地名”だった。
ヨーロッパから中近東にかけての辺りは大抵そんな風に複雑なんだろうけど。
そんな遠い異国の歴史とか政治のことなんて、日本の、ド田舎育ちで、学校のお勉強も不得手だった私には複雑過ぎて分からんのだけど、パスポートに記されている国名ではなく、出自を明確にする地名を答えたかったのだな、ってことは分かった、と思う。
トラキアより來りて、南千住へと去った旅人のおかげで、今日の私は、昨日の私よりトラキアのことをちょこっと知ってる。
紀元前6世紀の頃から、精巧な金細工の技巧を持ってた人たちらしい。
粒金細工を見てると目の奥が痛くなる。

ま、
すべてが私の独り合点から生まれた話かもしれんがなっ。
今日教わってきたUVN移動と次数の変更を使ってカンタロス杯っていうのを真似て作ってみたけど、取っ手まで単一サーフェスで作るのは私には無理でござんした。

【おまけ】
検索途中、いいBGMを見つけた。
『甲殻機動隊』のBGMだそうで、エニグマちっく。