だいぶ進んで、敵の思惑がわかってきました。

 

ファイアーエムブレムの世界からやってきたのは、クロムやシーダなどの善なる勢力だけではなくて、暗黒竜の側の勢力もやってきていました。

 

(クロムの側にも、一人、完全なる善とは言い難い人がいます。僕は出典を知らず、名前も覚えていないんですが)

 

暗黒竜はまだ目覚めておらず、黒幕は神官で、神官が儀式を執り行うことで、暗黒竜を目覚めさせようとしています。

 

このパターンは、ドラゴンクエストでも見たことがあるもので、悪いのは神官ではあるものの、力の強大さの点では、召喚する人間よりも、召喚される魔物の方が厄介となっています。

 

そしてイツキやツバサがいる世界から見ると、ファイアーエムブレムの世界は異世界になるので、クロムたちが霊体のような存在であるのと同様に、悪の神官も霊体のような存在となっています。

 

それで悪の神官も、人間の協力者、人間の依り代を必要としています。悪の神官と協力しているのは、テレビ業界のプロデューサーでした。

 

彼は目覚めた意識で、異世界からやってきた悪の神官に協力していますが、その意図は、面白いイベントを仕掛けられるのであれば、世界が滅びることなんて何でもないという極端な考えでした。

 

以前から、面白ければ、売れるならば、自分の手柄になるのであれば、何でもいい、という軽薄な考えを持っていたんでしょうが、世界が滅びることと天秤にかけても、面白さの方を取るという徹底ぶりなのでした。

 

さすがに世界が滅ぶことが予見できる時には、面白さではなくて自分や家族の身の安全の方をとるんじゃないかと、一応は想像できるのですが、いや待てよ、案外、そんな人は大勢いるかもしれない、とも思えます。

 

というのは、自分の会社の利益になるなら、日本が滅びたって構わないという態度が、今の時代、既に観察されているからです。日本がどうなってもいいのであれば、地球だってどうなってもいいでしょう。

 

合理的に考えたら、日本が滅びても海外に逃げられるという発想は成り立っていますが、多分、海外移住を本気で考えている人は少なくて、何も考えていない人の方が多いのではないかと思われます。

 

生きて行くことを考えている人は、生活環境の基盤を壊すことはせずに、生活環境の基盤を守ろうとするか、破壊の流れが止められないのを見て、諦めて、早々に海外で生きて行く方法を考えることでしょう。

 

儀式によって巨大な悪の存在を召喚するという悪事の構造については、多少、人間の力を買いかぶり過ぎているように思われます。

 

人間主導でなくても、人間よりも上の位階の存在が、善と悪に分かれて戦っているというのが、神話に表れている世界の構造であり、それは今も変わらないのだろうと思います。

 

そして、善なる神々と悪なる神々は、自分たち主導で動き、人間を使役して自らの目的を果たそうとしているのではないかと思います。

 

世界における人間の役割も、小さなものではないと思われますが、基本的に霊的存在を使役するのではなくて、地上の世界に働きかけたり、人間同士で影響を与え合うことが活動の内容になっていると思われます。

 

人間よりも高位の存在との関わりは、高位存在の意図を人間が感じ取って、それぞれの人間が自分が正しいと感じられる勢力に合流して活動する形をとることが多いと思われます。

 

なので、悪の勢力に惹かれる人は、進んで儀式を行う場合もありますが、そんなことをしないでも悪の勢力の意図を察知して、人間だけで世界に悪をもたらす動きをしていると思います。

 

それで、儀式をしなければ、魔的なものの召喚をしなければ、人間界は安全なのではなくて、悪の勢力のインスピレーションを受け取って行動する人間がいるだけでも危険にさらされるのだと思います。

 

マイコやキリヤは、悪なる霊的存在の活動を知り、対抗手段として、芸能の力を利用して敵と戦う手段を開発し、発展させてきました。

 

そういうことが必要かどうかわかりませんが、悪の勢力にインスパイアされた人間が悪事を働いているのを察知して、止めに回ることは、僕たちの世界でも必要なことだろうと思われます。

 

スターウォーズでは、力の暗黒面について語られており、善なる人間になろうとしている人でも、心に隙があると暗黒面に落ちてしまうことがあるとの考えが示されています。

 

悪の勢力下に入る人は、その人自体が悪いというより、悪に対する防備がうまくできずに、悪の誘惑に屈したということなんでしょう。

 

それで対抗する側としては、悪の軍門に下った人間の集団を止めることを考えるだけでなく、まだ汚染されていない個人が悪の誘惑から身を守ることについても研究し、啓発する必要があると言えるでしょう。