最近、某CMを見ていると 軟便と便秘は悪玉菌 といい、乳酸菌商品を買うと良いと民を誘導している。乳酸菌製剤や飲料のCMのやり方は基本的に同じであるが、これは捨て置けないのでまた書こう。

前にも書いているのでリンクだけでも良い気もするが、、、まあ、いいか。


母乳を飲む赤ちゃんのウンチは明るい黄色で形が無い「軟便」である。理由は、殆どが乳酸菌だからである。そして、甘酸っぱい匂いがする。乳酸というを出すので当然かと。そして、悪臭では無い理由は敗では無く発酵だからである。

発酵は主に有機物を分解して水と炭酸ガスになる。腐敗は硫化水素やメタンなどの毒ガスを出す。だから、自分が出した大便の匂いに耐えられない悪臭を放つ人は、腸内で大便が腐っている。腐った大便を大腸にくっつけておけば、腸の粘膜はたまったものではない。壊れて修復して過剰修復の結果ポリープができるかも知れない。癌化するかも知れない。腐れ大便は、基本的に便秘気味であるから尚更あぶない。

キャベツを昼に半分、夜に半分食べた男がいた。翌日の大便は、便器を埋め尽くす無形軟便が大量に排泄されたという話しをきいた。私も3日間、野菜を食べ続け、同様の洋便器の水面が消えるほどの大量軟便を出し、甘い香りに包まれる快便快感に恍惚となってしまう。ああ、野菜でこんなに出るんだ。そんな経験をするといいと思う。

繊維質を食べない赤ちゃんのウンチはなぜあんなにたくさん出るのか。実は、ウンチ博士の藤田先生によれば、大便の半分はだという。乳酸菌が活発に分裂して増えれば、大便が増えるのは当然と言える。残りの1/4が食物残渣、1/4が剥がれた腸粘膜。腸の表面積はテニスコート1面分といわれている。腸の粘膜は3日ほどで全層が入れ替わるほど激しい新陳代謝が営まれているというので、テニスコート1面から絶え間なく古い大腸粘膜が剥がれ続けている。

また、繊維質は人体で分解する酵素を持たないので分解不能である。が、腸内細菌はこれを餌とする。腸内を掃除しながら残渣となり、菌の餌となって菌体が増える。故に食物繊維をたくさん食べると大便が軟らかくなって量が増えるのは当然と言える。

赤ちゃんの柔らかウンチも、離乳食が始まると臭いウンコへ一変する。雑菌が入り、腸内細菌叢が大変革するからだろう。しばらくすると、また軟便に戻ってくるが、母乳だけの柔らかウンチにはならない。しかし、理想は母乳を飲む赤ちゃんの柔らかウンチ。それを目指して欲しい。

私も たまに それに近い 軟便が出るうんち
出張講演で外食が多いとそれを維持することは困難であるが、せめては軟便を目指す。腐ったウンコ(それに近い場合)は、整腸を心がける。整腸剤のエビオス(ビール酵母)をザラザラと飲んでもいい。ビオフェルミン(乳酸菌)でもいい。整腸さえできればなんでもいい。

ただ、

わざわざ高いお金¥を出して、腸まで届けというヨーグルトを買う必要は全くない。お金がある人は買ってもいい。なぜならば、消化できない繊維質に菌を隠して運べば腸まで勝手に届くからである。野菜をバクバク食べて、発酵食品を摂れば、そうなる。キュウリに味噌付けて食べる。食中から食後にかけて味噌汁を飲む。本物の漬け物はそのものである。おお、素晴らしい合格。日本食は素晴らしい食文化であります。

ああ日本富士山

軟便は順調の証なのである。


参照:◆ 軟便を下痢と勘違いしやすい
参照:◆ うんち(大便)の話し
参照:◆ 腸内細菌の凄すぎる恩恵