◆ 抗癌剤の標準治療について

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<標準治療とは?>

定義としては、「その時点で最も効果が高いと科学的に証明された治療法」であり、現代医学で考え得る最高の効果を発揮する(医学的には、最大の恩恵をもたらすと表現)と考えて良いのです。そして、世界で行われる研究成果により、絶えず標準治療の内容は変化(進歩)しています。まさに、日進月歩です。確かに、抗がん剤が使われ始めた頃と比較すれば延命効果は確実に上がっています。

標準治療の決まり方を説明しますと、例えばあるガンに対して従来の標準治療法であるA剤単独と、新たにA剤+B剤併用治療群を無作為に2つのグループへ分けます。その二種類の治療法を行った結果、併用群の生存率が長くなり、統計学的に有意差有りと判定されますと、A剤+B剤が新たに標準治療となるのです。

2008年に発表された例では、評価点での平均生存期間が11ヶ月から13ヶ月へ伸びています。素人目にはたった2ヶ月ですが、医学では画期的で素晴らしい進歩と評価されます。

確かに、このような地道な結果の積み重ねで延命効果を延ばす方法が模索されています。カメの歩みの如くゆっくりですが、確実に前進はしている標準治療ではあります。しかし、患者目線から見れば「まだそこなの?」という感は否めません。

ある大学病院におられるガン治療の権威の言葉ですが、「奏効率が35%もあるのよっ! 凄いでしょ!」と。如何に次元の低いところで延命が論じられているかの典型的な発言で、認識の温度差を感じます。

そして、患者としてはその伸びた延命期間の2ヶ月も元気でなければ無意味と言えますが、評価内容が「延命」であって、「QOL(生活の質)」は加味されていないと言う点を忘れてはいけません。要するに、そこに患者さんの人生は無いと言う事です。

また、この様な試験に参加出来るガン患者さんは、若くて元気な人が殆どなのです。

要するに、得られるであろう最高の結果を導き出したのであって、皆さんに当てはまるとは限らないと言うことです。もっと言ってしまえば、種々の合併症を持っていたり、高齢の患者さんには当てはまらない可能性が高いと言う事になるのです。