ノー・ジャッジメント

人は、その時

いいと思うものを選択し
自分のものにする。

人であれ、モノであれ、状況であれ
思考であれ、感情であれ。

それが、人から見たら
間違いに見えることであっても
ちょっとひとこと言いたい
なんてことであっても

その時に自分に大切なものは
大切なのであって。

そこを通るから
やっぱこれがいいや、って
方向が見えてきたりね。

私もそう、人から見たら

「それ違くね？」

って感じの場所に
きっといた時間ってのが

たくさんあった。

今もあるだろう。

そして、そこにいる時
実は自分が「これ違くね？」って
よぉくわかってる。

そして
あるタイミングで
抜けるんだよね。
そこから、ポン、と。

重ねた体験と
そこから受け取ったものによって。

時が満ちることによって。

引き寄せの法則
思考現実化
うん、それってある。

ああいうのがいい
こう在るのがいい

なんてのもある。

これはこういうもの、とか

いいとか悪いとか

うんちゃららとか

それは確かに

正しいのかもしれないけど…

それだけでさくさく人生を
片付けられないことが
時にはあってもいいと思うの。

もし
そういうことだけでジャッジされ
常に生き方を矯正されるなら
つまんねー人生だなと思う。

それらは
人生を素晴らしく
していくためものであって
人をジャッジするための
ものさしではないんだもの。

時々、それらが
ものさしになってしまっている
場面に出会う。

その通りにしているかどうかで
説かれている通りの状態かどうかで
自分が計られる時がある。

そして、自分が計ることもある。

人には、プロセスの段階や
魂の学びに適した
場所や状況ってのはあっても

レベルが高いとか低いなんての
はないと思う。

色々あるのが人生。

その時その時の思いや体験
たとえそれが
ほめられたもんじゃ
なかったとしても

それがあったから
こういうことに気付けた
こういうふうになれた
そんなふうに
結果オーライだと思うんだ。

そういう意味で
人生はパーフェクト。

それをふまえた上で
理論や方法や観念として存在する
素晴らしいものを
指針として選択し、行動し
人生をよりよくしていくことは
本当に素敵だ。

昔ね、こんなことがあった。

まだ母が施設に入る前に

家で介護をしていた時にね。

買い物をしてたら
亡くなった父がお世話になった
年配のヘルパーさんに会った。

「お母さん元気？
　あなたが一緒に暮らしているから
　お母さんも安心ね」

そう言われた。

「いやぁ
　ケンカして言い合いしたりして
　ぶつかってばかりですよ。
　これじゃいけないとは思うんですが
　あはは…」

そう答えると

「何言ってるの？
　親子だもの
　ぶつからなくてどうするの？
　それが当たり前なのよ。
　親子だからそれができるの。
　それでいいのよ」

そんな言葉が返ってきた。
そして、彼女はげらげら笑った。

買い物カゴぶら下げながら
なんだか泣きそうになった。

会う人、会う人に

「あなたがしっかりしなきゃ
　ダメじゃない。
　お母さんにやさしくするのよ」

と言われ続けて
本当にうんざりしながら
自分を責めてもいたんで
一気に緩んだね。

裁かれないんだ…

そう感じた時の安堵の気持ち
そして、裁かれることに対して
築いた高い壁が崩れ去って
そこで見えてきた大切なことの数々。

私はあの日を忘れない。

カウンセラーじゃなくても
セラピストじゃなくても
ヒーラーじゃなくても
人の心をあたたかく包む人は
いっぱいいる。

そして
あたたかく包まれるからこそ
確実に始まるものがある。

そういう人に私はなりたい。
（宮沢賢治風に・笑）