子供の頃は
いつもびくびく
怯えてた。

 

父親の機嫌次第で
家の中がどうなるかわからない
張り詰めた場所だった。

 

その父の機嫌を伺う母も
ピリピリしていて
母の機嫌は父の機嫌次第だった。

 

父はたいがいの日が
怒鳴ったり暴れたりだった。

 

私はいつも
暴風雨の中にいた。

 

 

 

学校から帰ると
逃げるように近所のお寺に
遊びに行ったものだった。

 

 

現実には居場所がなくて
死んだ人ばかりのお墓があるお寺は
なんとなく落ち着いた。

 

 

生きている人よりも
死んでいる人の方が
こわくなかった。

 

何も言わないし
何もしないのだから。

 

お墓が並ぶ中で
よく遊んだ。

 

 

夕方になると
帰りたくない場所に
帰るしかなかったし

 

帰りたくないのに
帰りたくて
家路を急いだ。

 

 

今日の夜は
無事に過ごせるだろうかと
そんなことを考えながら。

 

 

私はそんな世界が
自分の世界だと思ってたし
この世界だと思ってた。

 

イヤだけど
どうしようもなくて
そんな中にいるしかなかった。

 

それは家を出る
二十歳まで続いた。

 

 

 

今日、買い物の帰り
子供の頃よく遊んでいた
お寺に立ち寄ってみた。

 

一部は新しくなったものの
大体が昔のままだ。

 

晴れていて
風が気持ちよかった。

 

 

 

親父は空で
母は施設で
今は穏やかに過ごしていて

 

きっと今みんな
それぞれが幸せだ。

暴力的な父のこと
挙動不審な母のこと

思い出しても
感情が伴わなくなった。

 

もしも
じゃあ一緒にまた暮らす?
って聞かれたら
ノーだけどな(笑)

 

今は離れたことで
ありがとうだけが
静かに横たわる。

 

ふたりは「助けて」と
叫んでただけだった。

 

 


今は毎日
あんな思いをせずに
暮らせてるな…

 

家は心地よくて
安心できる場所だな…

 

寝坊しても怒られない(笑)

 

 

 

アンナぽは23歳になるけど
同じ年の自分を振り返れば
いくらかでも居心地はいいだろう。

 

きっと帰る場所に
なっていることだろう。

 

私は父を
徹底的に避けてたけど
アンナぽは父であるあぶと
とっても仲良しで楽しそうで

いつもくっついてる。

 

私とよりも
あぶと仲良しだし(笑)

 

家族は私に
とってもやさしいし。

 

 

 

ダンナが笑顔でいてくれて
子供が笑顔でいてくれて
家族みんなで大笑いして

 

それぞれの誕生日や
何かの日には
待ちきれなくて
早くプレゼント買っちゃって

 

配達されると
もらう本人が受け取って
バレちゃうんだよな(笑)

 

心がざわざわする日が
ないって言ったら嘘だけど
そんな日も強くなれるのは
家族がいてくれるからだ。

 

何もなかったわけじゃないけど

乗り越えてきたよな。

 

 

 

何より
アンナぽが
家で笑えている
それがうれしい。

 

私は能面のように
凍りついた顔をしてたから。

 

なんだその顔は、と
親父に怒られたよな。

 

笑えなかったよ。

 

だってこわかったもの。
だって楽しくなかったもの。

 

アンナぽが
こわいとか、楽しくないとか
落ち着けないとか、笑えないとか
そんなんじゃない家で

 

パパーって抱きついて
ママーってちょっかい出してきて

 

実はすごいことなんだな、って
お寺を歩きながら思った。

 

 

 

住む家があり
ごはんが食べられて
お風呂に入れて
お布団があって


私はジムにも行けて

 

家族が仲良くて

笑顔が溢れてて

 

うん、人生大成功だ。

 

聖霊はたくさんたくさん
私のいらないものを
持ってってくれたんだな。

 

 

 

あの頃の私も一緒に
この家に連れて帰ろう。

 

ただいま。

 

 

 

 

 

 

 

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