#193 静かな夜に

曲名Rap詞作詞作曲編曲ソロサクラップサトフェイク
静かな夜に-R.P.P.Dr Hardcastle
youth case
Dr HardcastleO×


サトシックの皆様、大変長らくお待たせいたしました。師匠のお歌でございますよ。
このアルバム制作にあたり師匠は「今回はこんな感じで」というのでスタッフにある洋楽の曲を渡したそうですが、想像以上にスローで振り付けに困っていたとか(笑)
師匠でもそんなことあるんすか!!
いまだ、誰の何の曲を渡したのかは謎のまま。。。

最初に聴いたときに気付いたのは「今までと結構違うな」というポイントがいくつもあったことです。
どちらかといえば『リフレイン』の方がこれまでのリーダーのソロ曲の傾向を受け継いでいるんですが、今回R.P.Pさんは作詞のみで作曲はスウェーデンの作曲家+youth caseさん。
それでも『Song for me』『Take me faraway』を髣髴とさせるような奥行きを感じるのは、やっぱりR.P.Pさんの不思議な歌詞の為せるワザなんでしょうか。

それではその「違うポイント」をいくつかあげてみたいと思います。

その1【ループ音がない】
『Song for me』『Take me faraway』のように同じフレーズを繰り返し、転調がなく単調な曲構成が直近の智ソロの傾向。
音程の面だけじゃなく表現力としてもとっても歌唱力のいる曲が目立ったのですが、今回はそのループがなく、メロディーと一体となって歌う構成になってます。

その2【滑らかな転調】
この曲では『Rain』以来の転調があります。それがものすごく自然。
嵐の曲は不自然な転調もちょいちょいあるのですが、この曲に関してはあまり気にならない。
調べてみたら、それもそのはずでした。

メロ「雨の調べ~この声も」→イ短調(ラシドレミファソラ)
サビ「伸ばした~通り過ぎていく」→ハ長調(ドレミファソラシド)
  「目覚め忘れた花を濡らして」→イ短調
(※短調は暗い音階、長調は明るい音階と覚えておいて下さいね。)

ぬ?使われる音は一緒なのに調が違う!?
こういうとき基本がちゃんとなってない私は焦りますが^^;;;
ここに滑らかな転調のミソがあるようです。
イ短調とハ長調は「平行調」と言って、いつでも部分的な転調が可能な関係性なんだそうです。
使われる音が一緒なのにまるで雰囲気の違う調同士だから、スムーズに転調できると。
その緩急でドラマチックな表現ができるんだそうです。

これはおもしろい!!
『Rain』の転調のように和音のキーをそのまま1音上げる(カラオケで言うと、キーを0→1#に上げる感じです)のは割とわかりやすい転調ですが、平行調の関係性を使った転調だとあからさまな感じにならず、ゆるやかに、なおかつドラマチックにできるという。
しかも、この転調の部分の歌詞と音もピッタリ合っているのがニクイ!!

「伸ばした手のひらに」のところで長調に移るので、手を上に伸ばしてパッと光が差してくるようなイメージが湧きませんか?
「目覚め忘れた」のところで短調に戻るので、なんだか切ない感じがしませんか?
音と歌詞がピッタリ重なると、1+1が3にも4にもなるような相乗効果が生まれるから音楽って面白いです。


さてさて…マニアックポイントをもう一つ。
コンサートアレンジも評判が良かったですよね。
『Song for me』のあの「忘れないよーーーうぅーぅーー」のアレンジも失神ものだったけど、間奏明けに始まる「月は~」が幻想的でやられます。。。
シタール?のような旋律とリズム楽器というシンプルな構成の上に自分の声を乗せて、会場を飲み込んでしまうからすごい。
「月は」の、「wa」の柔らかさといったら…うーん!!カラオケでマネしたくなっちゃう♪

でね、マニアックとしてはやっぱり本当に歌ってくれているのか、っていうのが気になるところなんですが。
(いつも、あまりにもぶれないので、この人。)
DVDの「STADIUM」では確認できなかったのですが、「DOME+」の方を見て初めて「あ、歌ってるんだ…」って思いました。
「白く輝く~」のファルセットの音程が若干ずれたんですよね。
ずれたというか…うまくファルセットに切り替えられなかった、というか。
本っ当に微妙なズレなんですけど…。
これを発見して、「Emina不謹慎!!」と分かっていながら喜びましたからね。
上手すぎて、ちゃんと歌ってることがわかる瞬間が貴重です、おーのさん。
(思いっきりふざけてる時くらいだもん、歌ってるんだって分かるの(笑))

しなやかさと、キレのよさ。
このギャップのある動作が、一つの流れではできそうでできないのです。。。
この人を見てつくづく、「基礎」の大切さを思い知らされます。
ブラボー!!座布団たくさんあげちゃって!!


#194 むかえに行くよ

曲名Rap詞作詞作曲編曲ソロサクラップサトフェイク
むかえに行くよ-マシコタツロウAMNOS××


一青窈さんに数多くの楽曲提供をしているマシコタツロウさんのカラーがたっぷり詰まっている一曲。
ちょっと、このコラボは個人的にテンション上がります。
どこか懐かしい感じの、でもちょっと不思議な雰囲気の音がするんですよね。
一青窈さんといえば、2002年の「もらい泣き」で鮮烈デビューしていますが、この曲もマシコさんが携わっています。
ニノも歌詞の独特な世界観を素早くキャッチしたのか、ベイストで「来年(2003年)ヒットチャートを賑わす人」と発言。
一青窈さんからラジオにコメントをくれるなどといったこともありました。

私は一青窈さんの独特な世界観はマシコさんによって増幅していると思っています。
なんというか、トトロの世界。
四季が移ろいで行く田舎の情景を思わせたり、
あるいは、森の中のにいるときの不思議な安心感を抱かせたり。
でもそれは懐かしいようで、どこか現実離れしたような感じでもある。

「むかえに行くよ」も似た懐かしさを思わせるので、マシコさんもそれなりの御歳の方なのかと思ったら、
なんと78年生まれ!!リーダーと2つしか違わないんです。(ってことは「もらい泣き」の時は24歳…)
びっくりですよね。もう作曲のスタイルが確立されている…。
蛇足ですが…所属がLDHなんですよね、びっくり(笑)
まさかEXILEと同じとは思いませんで。

あ、すみません、脱線しました。

さて、歌詞です。
この曲は、沁みますね。

昔なんて難しいことなーんも考えてなくて。
実現するかも分からない夢を思い描いて。
でもそれが自分の素直な気持ちからくるものなんですよね。

自分の選んだ道を歩き始めてしばらくすると
いつのまにか人・こと・時間・お金に追われていて、
ふと我に返ったときに「これでよかったのかな」っていう不安に駆られることは、誰だって経験があるはず。
不安って結構深い泥沼で、そこから抜け出すにはなにかを信じなくちゃいけない。
そこがまた苦しくて、何を信じればいいのかという葛藤に苛まれるんですが…

「明日の僕をむかえに行く」
これはリ・スタートの決意なのかな、と私は思ってます。

迷っている時は、何を試されているのだろう?と、あれこれ考えた事がありますが、私はいつも「決意する心」を試されているのだろう、と思っています。
選んだ道を辞めることも、そのまま続けることも、
自分を幸せに導きたいなら大きかれ小さかれ「決意」が必要なんだもの。
「僕が選んだ毎日」を信じて耐える決意をするのか、
「僕が選んだ毎日」があまりにも自分の足を引っ張るなら、断ち切るという決意をするのか。
どちらを選ぶのか決めようとする心があるかどうか、試されているんじゃないかと。

なぜ試されなければいけないのか、なーんてことも思いましたが、答えはシンプルでした。
決めた先に道があるからです。
間違っていたとしても、間違っていたと考えを改めることが、また新たな道を生むわけなので。


無くしたものが、自分には大事な物だと気がついた。
それが自分の信じるままに生きる「生き方」だった。
この歌詞ではそんなストーリーでしょうか。。。

きっと行き詰ったら、この曲がヘビロテになるだろうと思います、私。