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そう。
彼と話したのは会社の飲み会が初めてだった。
彼はいつも明るく、どちらかというとどっしりとしたグループに属していた私とは
生きる世界が違う。
そんな風に思っていたんだ。。
だからこそ、近づくことはないと思っていた相手。
だって、私なんて。
それが私の口癖だった。
だからこそ、彼に話しかけられた時は、とっても驚いたんだ。
ま、よく考えれば、
彼は誰にでも優しくて、明るい。そんなキャラクターだからね。
それは当たり前のことだと思うんだけど。。。
私なんてって思うからこそ、話しかけられることにとっても驚いたんだ。
仕事はできる。
男とも戦っている。
彼は、その時
そんな私に触れて
「頑張ってるんだな」
一言そう言った。
私は、頑張っていることを見せたり、人に頼ることがとっても苦手。
だから苦労は人には見せないことが美徳だと思っていた。
そんな時に年下の彼の口から発せられた
「頑張ってるんだな」
という言葉。
それは、私にとっては、とても衝撃だった。
そう。
だって、頑張ってたから。
なんだか、そのあとは、力が抜けてしまった。
「うん」とだけ答えた私は、何もなかったように
カラオケのリモコンを手に取って、
悩んでいるふりをした。
いつもなら
「そんなことないよ」
そう発していただろう言葉。
誰かに認めてもらえて、
何より
気づいてもらえて
その時の私は嬉しかったんだ。
