【背景および目的】


人体の細菌細胞は総体重の 1 ~ 3% を占め、その数は少なくとも人間の細胞と同じです。最近の研究は、体内のさまざまな細菌群集がどのようにして健康や病気にかかりやすくするかを理解することに焦点を当てています。

しかし、膣細菌叢は詳しく研究されてきましたが、子宮内細菌叢の存在と生殖機能におけるその考えられる影響に関する一貫したデータは不足しています。

この研究では、膣内とは異なる子宮内細菌叢の存在を検査し、そのホルモン調節を評価し、体外受精を受ける不妊患者の生殖成績に対する子宮内膜細菌叢の影響を分析することを目的としました。

 

 

【材料および方法】


自然妊娠可能な患者と不妊症の患者の子宮内膜液中の子宮内膜細菌叢の変化による生殖への影響を、着床率、妊娠継続率、および出生率によって評価しました。

 

 

【結果】



Lactobacillus属の菌が90 %以上含まれている群→LDM


Lactobacillus属の菌が90 %以下の群→NLDM


着床率 (60.7% vs 23.1%P  = 0.02)

妊娠 (70.6% vs 33.3%P  = 0.03) 

妊娠継続 (58.8% vs 13.3%P  = 0.02)

生児出産率(58.8% vs 6.7%P  = 0.002)

流産率 (16.7% vs 60% P =0.07)


となり、L D M群の成績が有意に高い成績となった。


 

【結論】


結論として、子宮内膜における非Lactobacillus属細菌の存在は、生殖機能への悪影響と相関しており、着床不全や流産の新たな原因として考慮される必要があります。

 

 

【私見】


現在、子宮内の細菌バランスを調べるEMMA&ALICE検査が先進医療に認定されるほど注目されています。

子宮内フローラは腸内とも深く関係していることが知られています。

そのため、発酵食品や食物繊維を多く含む食品を取り入れたり、サプリメントをふくようしたりして、腸内フローラ、子宮内フローラを整えていくと効果的だと思われます。